研究

微乳頭構造を有する肺腺癌をモデルとした癌の転移・浸潤メカニズムの解析

研究におけるご協力のお願い

研究課題名:微乳頭構造を有する肺腺癌をモデルとした癌の転移・浸潤メカニズムの解析

北里大学医学部呼吸器外科学では、肺癌をはじめとした呼吸器疾患における病気や薬の効き目に関する因子を見つける研究や、病気の診断に関する研究を行っています。2009年から北里大学医学部倫理審査委員会の承認を受けて「微乳頭構造(びにゅうとうこうぞう)を有する肺腺癌をモデルとした癌の転移・浸潤メカニズムの解析」という課題の研究を行っており、現在に至るまで研究期間の延長を行って、研究を継続しております(現時点で2026年3月31日まで倫理委員会の承認を得ております)。この研究では血管新生因子の違いを、肺腺癌で微乳頭構造がある方とそうでない方との比較や病変部とそうでない部分との比較をして、癌の転移・浸潤の仕組みを研究し、進行の予防や最適な治療法を探索することが目的です。

研究に使用する検体は、当院で原発性肺癌の手術を受けた患者様に「研究へのご協力のお願い-インフォームド・コンセントのための説明書-」という説明書を用いて患者様ご本人もしくはご家族様にご説明した上で、同意して頂いた方から手術、細胞診検体を頂いております。2015年5月20日より以前に手術を受けられた患者様には「解析は北里大学医学部呼吸器外科学研究室において行う」とご説明致しましたが、この度、共同研究を行っている北里大学理学部物理学科 物性物理学講座および神戸大学大学院医学研究科 生理学・細胞生物学、北里大学メディカルセンターでも解析を行い、また一部の解析を外部の業者および研究機関に委託することとなりました。提供して頂いた組織から抽出したDNAと、提供して頂いた組織から作製した細胞株(腫瘍組織から取り出した細胞を培養して、分裂を繰り返すことが出来るようにすることです。貴重な研究材料として使用されます。)を委託先(解析:JCRB細胞バンク、委託先:プロメガ株式会社)に送ります。解析は、DNAの中にある短い繰り返しのある部分が何回あるかを調べて、頂いた組織と作製した細胞株が間違いなく同じ由来であるかどうかを調べます(細胞認証といいます)。また、細胞株から抽出したRNAを委託先に送り、DNAの網羅解析(マイクロアレイ)を行い、癌の転移、浸潤との関連のある遺伝子を調べたり(委託先:サーモフィッシャーサイエンティフィック ライフサイエンスソリューションズ ライフテクノロジーズジャパン株式会社)、細胞株から抽出したクロマチン(DNAとタンパク質の複合体)を用いてエピゲノム解析を行ったりします。(委託先:株式会社マクロジェン・ジャパン、タカラバイオ株式会社)さらに、関連のある遺伝子を詳しく解析する過程で、一部のDNAの配列を調べます。(委託先:ユーロフィンジェノミクス株式会社)また、細胞株のDNA・RNA・クロマチン解析を、マウント・サイナイ医科大学(研究代表者 渡邊秀生)、東京医科歯科大学M&Dセンター科学センター AI・ビッグデータ研究部門AI技術開発分野(研究代表者 鎌谷高志)に依頼します。尚、貴重な検体を広く研究に応用し、肺癌の研究をより発展させることを目的として、検体から得られた細胞を公的バンク(JCRB細胞バンク)に寄託または譲渡する可能性があり、分譲先の施設において「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」に準拠したヒトゲノム・遺伝子解析研究に使用される可能性があります。この場合、匿名化(名前が分からない状態にすること)してから委託及び寄託をするため、それが誰の遺伝子であるか特定することは出来ませんし、個人情報が外部に出ることはありません。また、検体から得られた細胞を細胞バンクへ登録することがありますが、個人を特定できる住所や氏名などの個人情報は決して公表されることはありませんのでご安心ください。
2009年6月30日より現在までにご同意を頂いた患者様(患者様ご本人がお亡くなりになられている場合はご家族の方)で同意を撤回されたい場合や、提供して頂いた検体を外部に委託して解析することにご承諾頂けない場合は、お手数ですが担当医または以下の連絡先にご連絡をお願いいたします。

対象:
2009年6月30日以降に当院で原発性肺癌の手術を受けた患者様のうち本研究における同意書にご署名頂いた方
連絡先 :
〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
TEL 042-778-8828, FAX 042-778-9741
北里大学医学部 呼吸器外科学 教授
佐藤 之俊(さとう ゆきとし)(研究代表者)

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