研究

2015年2月20日

本邦における肺切除術後脳梗塞に関する周術期、手術因子の解析

研究におけるご説明

肺切除術後の脳梗塞発症率は約 0.3%とされています。頻度は高くはありませんが、脳梗塞は時として重大な結果を招くことがあります。
現在、肺切除術の術式により脳梗塞発症のリスクが異なる可能性が指摘されつつあります。特に左上葉切除後には左肺静脈が長く残る傾向にあり、その断端への血栓形成が多く見られるとの報告もあります。左肺静脈の血栓は、遊離すれば直接大動脈に入りこみ、脳梗塞の原因となる可能性が高くなります。このように、術式が血栓形成、脳梗塞に関与する可能性があれば、周術期管理(手術の前後を含めた管理)において重要な問題となります。これまで、術後発症脳梗塞に対する予防は高齢など患者様側のリスクが高い場合に限り行ってきましたが、術式が関与している可能性があり、その場合は周術期管理を変えていく必要性があります。
これらの背景から本研究は、本邦における肺切除術後における脳梗塞の発症と周術期、とくに手術術式における特徴を明らかにすることを目的として行われます。なお、本研究の主管機関は長崎大学大学院医歯薬総合研究科であり、多施設共同研究で行われます。

研究対象:
2004 年 1 月から 2013 年 12月までに北里大学病院で施行された肺切除術症例(術後脳梗塞を発症した症例としていない症例の両者が対象となります)
研究実施期間:
倫理委員会承認日~平成28年 3月 31日
研究機関ならびに研究実施場所:
北里大学病院 呼吸器外科
長崎大学大学院医歯薬総合研究科腫瘍外科

本研究で対象となるのは診療情報のみですので、安全上の問題はありません。個人情報の取扱いについては、学校法人北里研究所の倫理指針に基づき、対象となる患者の皆様の機密保護について配慮致します。なお、解析する上で個人情報は当院内においてのみ使用され、全ての患者の皆様は匿名化(名前が分からない状態にすること)され、氏名や住所などの個人情報は一切公表されることはありません。個人情報データは呼吸器外科研究室のコンピューターにパスワード保護のもと厳重に管理されます。研究で得られた結果は、個人が特定されない形で学会や雑誌などで報告されることがあります。
本研究の調査対象に該当する患者様で、不参加の申し出がある場合は対象より除外いたしますので、担当医または下記までご連絡下さい。調査に同意いただかない場合でも、それを理由に不利益を被ることは一切ございません。

連絡先 :
〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
TEL 042-778-8828, FAX 042-778-9741
北里大学医学部 呼吸器外科学
(研究代表者)北里大学医学部 呼吸器外科学 主任教授
佐藤 之俊(さとう ゆきとし)

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