留学報告

留学だより 2022年10月

呼吸器外科学 診療講師 内藤雅仁

2021年5月からアメリカハーバード大学付属病院であるBrigham and Women’s Hospital(BWH)に留学させていただいております。昨年まではCOVID19の影響でwork at homeが多かったのですが、今年はCOVID19の影響もだいぶ落ち着いてきました。
私が留学しているBrigham and Women’s Hospital(BWH)は、アメリカ・マサチューセッツ州ボストンにあります。アメリカ北東部のニューイングランド地方という場所に位置しています。ボストンマラソンやレッドソックスなどが有名です。緯度は日本の札幌とほぼ同じ位置にあるため、冬の寒さは厳しいという特徴があります。住んでいる人たちは短い夏をめいっぱい楽しんでおり、冬は11月のサンクスギビングを堺に仕事も生活もゆるくなっていきます。
ボストンはハーバード大学やMIT(マサチューセッツ工科大学)など世界トップレベルの大学を有することから「学生の街」としても有名で、人口65万人のうち25万人以上が大学生といわれています。ボストンの特徴の一つとして野球のメジャーリーグベースボール(MLB)、バスケットボールのナショナルバスケットボールアソシエーション(NBA)、アイスホッケーのナショナルホッケーリーグ(NHL)、アメリカンフットボールのナショナルフットボールリーグ(NFL)は、アメリカの4大メジャースポーツリーグ全てのチームがあります。

【研究生活】
私が所属している研究室はSurgical Navigation and Robotic Laboratoryという部署でBWHの放射線科に所属しています。BWHは全米最古(1636年)の大学であるハーバード大学の医学部(HMS)に関連する 教育医療機関の中で中核的役割を果たしている病院です。当ラボは日本人初のハーバード大学医療工学教授である波多伸彦教授が率いております。波多教授は優れた教育者であり、人格者でもあります。
現在、私は2年目ですがラボのメンバーは国際色に富んでおりアメリカ、ポーランド、日本、カナダなど多様なバックグランドの人が集まっており、週1回のミーティングでは活発なディスカッションが行われております。私の現在の研究はロボット気管支鏡に関するものです。アメリカではすでにロボット気管支鏡が臨床に導入されており高い診断率を得ています。通常の気管支鏡は40-60%程度の診断率ですが、ロボット気管支鏡はナビゲーション技術を組み合わせることにより70-80%程度の診断率であり、ひとつの技術革新になっています。まだ世界中には導入されていない技術でありますが、今後アメリカだけではなく全世界に広まって行く技術であろうと思います。このロボット気管支鏡を呼吸器外科手術と組み合わせ手術に活かせるような研究をしていきたいと思っています。

アメリカで臨床導入されているロボット気管支鏡

https://www.intuitive.com/en-us/products-and-services/ion/shape-sensing

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