顔面外傷、顎顔面の変形症、唇顎口蓋裂患者等の咬合管理並びに口腔管理の観点から歯科口腔外科専門医1名が1980年4月より形成外科・美容外科学に所属し、外来診察、入院治療にチーム医療として参加しています。
また、当院歯科と連携し、口腔疾患の治療も積極的に行っています。
頭蓋顎顔面外科
担当医
- 君塚 幸子
- 高橋 一誠
- 杉本 孝之
- 杉本 佳香
- 松浦 直樹
主な対象疾患の特徴:
1.先天性頭蓋顎顔面疾患・口唇裂口蓋裂の包括的治療
先天的に頭蓋や顔面の骨に成長異常を伴う疾患(頭蓋骨縫合早期癒合症、アペール症候群、クルーゾン病、第一第二鰓弓症候群など)に加え、口唇裂・口蓋裂の治療を専門としています。
乳児期の口唇形成手術や口蓋形成手術は形成外科が担当し、生後間もなくからの人工口蓋床治療と顎裂部骨移植治療は歯科口腔外科が担当します。
- 人工口蓋床は口唇口蓋裂児の顎口蓋裂部を被覆する「乳児の入れ歯」のことで、生後まもなくから口唇形成手術までの間に行っている新しい補助的な治療法です。この人工口蓋床は
- 哺乳障害を改善、
- 顎発育を良好に誘導、
- 舌が顎裂、口蓋裂内に入り込みを防ぐ「舌悪習癖の改善」等を目的にしています。
- 顎裂部への骨移植手術を受けたお子様は、顎裂部に移植した骨が、本来の歯槽骨と一体化します。その結果、これから萌出する永久歯に対して萌出の場所を提供したり、移植骨部へ歯を動かせるようになり口唇口蓋裂のお子様の歯科矯正治療に役立ちます。現在では本治療は口唇口蓋裂一貫治療の一つに組み込まれるようになっています。この手術時年齢は歯科矯正専門医と協議の上、5-10歳までの至適な時期に二次的に行います。
- 歯科矯正治療の最終段階において、「骨格的な要因による機能障害が残る場合」や「鼻の形が気になる、上下顎のバランスを整えたい」といったご希望がある場合には、再度口腔外科や形成外科が共同して、骨切り術や肋軟骨・耳介軟骨や筋膜を用いた唇裂鼻を検討することが可能です。
成人期に至るまで、整容面と機能面の最終的な仕上げを責任をもって行っています。
2.顎変形症
当科の顎変形症に対する治療は、機能的回復と審美的改善を念頭に置き、矯正歯科とのチーム医療によって行われます。
患者様の希望、頭蓋顔面規格写真による軟組織分析、頭蓋顔面規格レントゲン写真による硬組織分析等の総合的評価を得て、十分なインフォームドコンセントを行った上で治療を開始しています。
正常機能獲得を前提とし、更に審美的要求が高まっている昨今の状況に応えるべく、美容的要素まで加味した治療計画を作成しています。
3.顎骨骨折・顎顔面再建
当大学は高次救急医療施設であるため顎顔面骨折患者の約25%に合併損傷を認めています。一般的に頭蓋内損傷や胸腹部臓器損傷を伴っていると、顎顔面骨折の治療が遅れ、その後の治療を困難にします。当科では受傷で搬送された時点から救急医療に参加し、如何に合併損傷の治療と平行して顎顔面骨折の治療を進めるか念頭に早期機能回復を目指しています。
先天的に重度の頭蓋顎顔面変形を有する疾患や、悪性腫瘍に代表される占拠性病変切除後の組織欠損、外傷による重度の変形・欠損などに対する再建を行います。再建に際しては機能面や審美面に配慮し、マイクロサージャリーによる遊離皮弁に代表される形成外科の専門的技術を用いた治療を行います。
