ごあいさつ

形成外科・美容外科学
主任教授 武田 啓

 形成外科は創造の外科学といわれ、失われた機能や形態を修復する再建外科と、理想的形態を追求する美容外科に大別できます。この二つは車の両輪ですが、はっきりと区別できるわけではありません。傷をできるだけ目立たなくする技術や組織移植の手法を用い,先天異常や外傷、腫瘍などによる変形や欠損に対し機能及び形態を再建します。また、理想的形態に近づけることも治療として行います。

 北里大学では、1973年に形成外科が教育研究単位(講座)として発足し、大学病院における形成外科診療が始まりました。1975年には標榜科となり、1989年には美容外科も標榜科となりました。2006年には医学部の教育研究単位の名称が「形成外科学」から「形成外科・美容外科学」になり今日に至っています。

 北里大学形成外科・美容外科学教室では形成外科の分野でオールラウンドに教育や診療を充実するよう努力してきました。顎顔面、口唇口蓋裂、腫瘍、手外科、マイクロサージェリー、美容外科、救命救急センターでの外傷形成外科などそれぞれの専門スタッフを有し各分野の最先端の知識や技術を常に取り入れるよう心がけています。専門医の養成では、白板を用いた術前カンファレンス、手術準備シート(グリーンシート)作成、絵画教室、マイクロサージェリー実習などをはじめとした独自の教育手法を用いており、これまでに多くの高い臨床能力をもつ専門医を輩出してきました。

 研究面では、生命科学を探求する基礎的および臨床的研究を行い、創傷治癒に関する研究や毛髪や骨の再生医療に 力を入れています。北里大学形成外科・美容外科学教室は常に新しいことに挑戦し続けてまいります。