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研究部門紹介


小児泌尿器科部門

本部門ではお子様の泌尿器科疾患を扱っております。腎臓、尿管、膀胱、尿道の先天的な異常により尿の通過に支障を伴う場合、手術により改善を目指す必要があります。また、生殖器や性腺(精巣、卵巣)に異常があり、将来的に妊孕性(子供を作る能力)に影響が出るおそれがある場合、その不利益を最小化できるように治療を受けていただくことをお勧めしています。日中の尿もれや夜尿など、尿を貯めて出す機能が未熟で日常生活に支障をきたす場合、将来的に膀胱機能に影響が出たり、夜尿があることによる劣等感に苛まれたりする事があるため、主に内服治療や排尿トレーニングにて改善を目指します。

お子様はご自身で異常を訴えることが少ないため、上記のような疾患は定期検診や他の症状で小児科を受診された際に診断されることが多く、急な出来事で保護者の精神的負担は多大なものになりがちです。小児泌尿器科の疾患は、手術などの侵襲的な治療が伴うことが多いですが、治療により解決できることも多く、成長過程で自然に軽快する疾患もあるため、受診を勧められた場合は前向きに御検討してください。稀な疾患や複雑な治療が必要な場合は神奈川県立こども医療センター泌尿器科に協力をお願いし、当院にて治療を継続できないか調整することもあります。

以下に代表的な疾患名とその治療方針を示します。

停留精巣

精巣機能低下の予防のため、遅くとも1歳半頃までの手術をお勧めしています。

尿道下裂

程度にもよりますが、手術による尿道の形成が必要になることが多いです。

膀胱尿管逆流

腎機能の低下を予防するため、自然に改善しない場合は手術を行います。

真性包茎

程外用治療で改善しない場合、手術をお勧めすることがあります。

昼間尿失禁

尿失禁の程度により内服治療を勧めております。

夜尿症

5歳以上で見られる場合、治療の対象となります。

水腎症

当科では侵襲性の軽減を目的に腹腔鏡下手術を積極的に行ってまいりました。2016年4月より手術支援ロボットを用いたさらに精度の高い手術方法「ロボット支援腎盂形成術」を高度先進医療として開始し、2020年4月からは保険診療として施行しております。機器の大きさの問題もあり、現状では中学生以上を対象として手術を計画しております。
過去の手術方法と比較することによりロボット支援腎盂形成術の有用性を検証しております。(倫理委員会承認番号B22-088)