トップページ > 研修・入局のご案内 > 研究部門紹介 > 腎移植・腎代替療法

研究部門紹介


腎移植・腎代替療法部門

部門長:石井 大輔

部門長:石井 大輔


当科では開院以来1972年より550例を超す腎移植を行ってきており、その3割は献腎移植です。月に2例程度の腎移植を行っているので、腎移植チームの一員として研鑽を積むことができます。基本的にはチーフレジデントを終了後、6ヶ月間の腎移植チームへの参加により腎移植を中心とした、腎代替療法全般について知識と手技を習得します。場合によっては後期研修期間に研修医としての参加もあり得ます。この場合は研修医として腎移植手術に助手として参加できます。



図1


図2


腎移植療法には 1.患者の選択、2.腎移植手術、3.免疫抑制療法、4.周術期管理、5.移植後の長期生着のためのケアすなわち免疫抑制薬の副作用のコントロールと合併症の予防と治療、および 6.腎ドナーからの腎採取術としての生体腎ドナー腎採取術(腹腔鏡下、開放手術の療法) と献腎ドナー採取術が含まれます。手術手技の他に、免疫抑制療法の習得、薬剤投与計画のためのTDM、免疫抑薬の副作用とその合併症の予防法および治療法、特に感染症の対策、代謝障害(高血糖、高血圧、高脂血症、高尿酸血症など)の療法、移植腎生検の実際と病理診断についても習得します。

また、腎移植患者は慢性腎臓病(CKD)患者なので、CKDの治療についても学びます。腎移植の対象となる患者は末期腎不全であるために他の腎代替療法である、血液透析、腹膜透析に関する知識が必要となります。特に血液透析のためのバスキュラーアクセス、場合によっては血管内血管形成術(IVR)の習得、治療腹膜透析のためのペリトネアルアクセスの手術方法、合併症の修復術の習得をします。腎移植術は通常の手術手技に加えて、血管吻合術、尿管吻合術が大きな部分を占めるため、その両者に熟達した技量が求められます。そのためにもバスキュラーアクセス手術を数多く経験する必要があり、当科での年間約150例を超すバスキュラーアクセス手術(人工血管使用を含む)に参加して、その手技と合併症治療法も経験習得できます。アクセス手術に関しては 20 例程度の助手の経験の後、主治医の指導のもと術者としての参加しています。血液浄化センターでの血液透析、血漿交換、腹膜透析の実際と患者治療にも関与します。

このプログラムを通じて、臨床腎移植学会の認定医、移植学会の認定医、泌尿器 内視鏡学会、内視鏡外科学会の技術認定医などを取るための症例経験ができます。また、泌尿器科学会や移植学会を初め、臨床腎移植学会、腎移植・血管外科研究会、透析医学会、腹膜透析医学会、腎不全外科研究会、アクセス研究会、泌尿器科内視鏡学会など、さらには国際学会を含め、年間30を超える学会、研究会への出席、発表、論文作成を行う機会があります。