形成外科とは、主に顔面や手足など外から見える部位の形態と機能を回復することによって、皆様の社会生活の質(QOL:quality of life)を向上させることを目的とする「外科系診療科」の一専門分野です。 「命を救う(救命)ためなら、多少の障害は我慢すべき」という古い時代から、近年では機能的にも形態的にもより高度な治療結果が求められるようになりました。それに伴って形成外科の需要は高まり、急速に発展を遂げています。
形成外科には、「再建外科」と「美容外科」という二つの大きな柱があります。 「再建外科」とは「生まれつきの、またはケガや癌などにより残った変形や、失われてしまった体の部分を、機能的にも形態的にも正常に近い状態に修復して皆様のQOLを向上させる専門領域です。 また「美容外科」とは、客観的にはあくまで正常範囲内(つまり病気とはいえないような細微な)の形態的問題点を主に手術治療によって改善し、皆様の生活の質を向上させる専門領域と言えます。
北里大学では再建外科の分野はもちろんのこと、大学病院としては極めて稀な美容外科分野をも開設当初から標榜し、形成外科領域全般にわたって幅広く治療にあたってまいりました。