教育プログラム

北里大学病院薬剤師レジデント制度(高度臨床薬剤師育成プログラム)

レジデント制度概要

北里大学病院では、2020年4月より「北里大学病院薬剤師レジデント制度(高度臨床薬剤師育成プログラム)」を開始いたしました。このレジデントプログラムは、質の高い知識や技能・高いコミュニケーション力、チャレンジ精神・グローバルな視点・後進に対する指導力を有した臨床薬剤師の育成を目指し、2年間のプログラムで病院薬剤師としての基礎的な実務能力と、実践的な臨床薬学能力の両輪の修得を目標とします。

レジデント制度の特徴

当院のレジデントプログラムは、病院薬剤部における基礎薬剤研修の修了後に、一般病棟ならびに急性期病棟(救急・ICU系病棟、周産母子・小児系病棟)において研修を行うことで、チーム医療を実践するための基本的姿勢や薬学的管理能力の修得を目指しています。
1年次には薬剤師に求められる基礎的な知識・技能・態度の修得を、2年次には臨床に重点を置いたプログラムに加えて、薬剤師レジデントそれぞれが志す薬剤師像に合わせたアドバンス能力の修得を目指します。
なお、薬剤師レジデントは北里大学薬学部学生の基礎実習(事前実習)や実務実習の教育も担当します。

到達目標

① 病院薬剤師として身に付けるべき基本的臨床能力に加えて、実践的な知識と臨床薬学的解決能力を修得する。
② 薬学部学生の基礎実習や実務実習の教育を通じて、後進に対する指導力やリーダーシップ能力を養う。

募集要項

詳細は以下をご覧ください。

募集案内(薬剤師募集案内)

研修プログラム・講義内容

2025年度 1年目・2年目スケジュール

1年次:病院薬剤師基礎研修

1)中央薬剤業務:病院薬局業務全般について実践的な研修を行います。

  • 調剤業務 9週間
    外来・入院調剤
    薬剤交付・服薬指導
    入院前薬剤師面談見学

  • がん診療支援薬剤業務 4週間
    抗がん薬調製
    集学的がん診療センターにおける薬剤師診察前問診の見学

  • 医薬品情報業務・薬品管理業務・製剤業務・臨床研究推進センター(治験業務) 2週間
    他職種からの質疑対応
    自動注射払い出し装置を活用した注射薬調剤
    高カロリー輸液調製

  • 中央薬剤業務研修終了後は週2回程度の中央薬剤業務を継続し、知識および技術の維持・向上に努めるとともに、当直補助業務や日直業務にも対応します。

2)病棟薬剤業務:薬剤管理指導業務・病棟薬剤業務の実践的な研修を行います。

  • 一般病棟① 10週間
  • 一般病棟② 10週間
  • 救急/ICU系病棟 4週間
  • 周産母子/小児系病棟 4週間

薬剤部内症例報告会にて、研修成果の報告を行います。

3)教育・その他

  • 院内他部門における研修(医療安全・感染管理・その他)
  • 薬学部1年生の早期体験学習における薬剤師業務説明担当
  • 薬学部4年生の事前実習における教育担当
  • 薬学部OSCEへ評価者対応

2年次:病院薬剤師アドバンスト研修

1)中央薬剤業務

継続して業務を行うことで知識および技術の維持・向上に努めるとともに、当直補助業務などの時間外業務や日直業務にも対応します。

2)病棟薬剤業務

レジデントの希望を考慮した2病棟において約6カ月間ずつ病棟薬剤業務研修を行います。がん化学療法におけるレジメンチェック、腎移植、TDM、救急領域における循環作動薬のモニタリング、各疾患別教室での外来患者講義などを学ぶ機会があります。また、カンファレンスや各領域のチーム医療に参画し、発展的な内容の研修を行います。

3)教育・研究・その他

  • 薬学部1年生の早期体験学習における薬剤師業務説明担当
  • 薬学部5年生の病院実務実習における指導
  • 薬学部OSCE評価者対応
  • 日本病院薬剤師会関東ブロック学術大会への参加
  • 日本薬剤師レジデントフォーラムでの発表
  • 臨床研究:
    先輩薬剤師と共同して研究や業務改善に取り組み、学会発表を目指します

その他:特徴的なプログラム

当院独自のプログラムとして、以下を実施しています。

  • 院内他部門における研修(医療安全・感染管理・その他)
    院内他部門の業務に同行したり、当該部門に配置されている薬剤師や、看護師等の他職種から講義を受けたりします。
  • 診療科研修:
    医師の日常業務へ参画(見学含む)し、薬剤師の新たな介入余地について検討します。
  • 特定機能病院薬剤師レジデント研究会:
    他大学病院レジデントと合同のカリキュラム。英文抄読会、症例検討会を通じた他施設交流を行います。
  • 定期的な到達度の振り返り
    レジデント1年目の中央薬剤業務研修修了時に、レジデント1年目・2年目終了時点におけるあるべき姿を小グループでディスカッションします。到達状況は半年ごとに同グループで振り返り、必要に応じて新たな目標を設定します。また、薬剤部のクリニカルラダーにもとづき、個別の振り返り面談を半年ごとに行っています。