研究副室長 松枝 佑
私たちの教室では、関節リウマチ(RA)や全身性エリテマトーデス(SLE)といった自己免疫疾患を中心に、「日々の臨床で感じる素朴な疑問」を大切にしながら研究に取り組んでいます。堅苦しい雰囲気ではなく、若手の先生方が気軽に質問し、アイデアを出せるアットホームな環境づくりを心がけています。
大きなテーマの一つとして、RAに特有のタンパク質に注目しその働きを解明する研究を進めています。このタンパク質がRA患者さんの関節でどのように関与しているのか、また治療によってその発現がどう変わるのかを調べることで、RAの病態理解を深めようとしています。例えば、治療前後でタンパク質の発現量がどう変化するかを追跡し、関節の中の細胞(滑膜細胞など)との関わりを探ることで、新しい治療法や検査法につながる発見を目指しています。難しい専門用語は抜きに、「なぜこのタンパク質がRAで重要なのか?」という疑問に、チーム一丸となって挑戦しています。
その他の研究テーマとしては、全身性エリテマトーデスの病態に関わる転写因子の研究や、破骨細胞の特性に関する研究、血小板減少症における補体系の異常など、多岐にわたります。「臨床の場で感じた疑問を研究で解決する」――そんな思いのもと、研究室メンバー全員がそれぞれのテーマに情熱を持って取り組んでいます。
また、私たちの研究室では、臨床医から研究者への第一歩を踏み出す大学院生の先生方を全力でサポートしています。臨床現場から研究室に移る際には不安も多いかもしれませんが、先輩やスタッフが丁寧に指導し、一緒に悩みながら成長できる環境を整えています。統計の基礎から学会発表のコツまで、わからないことは何でも相談できる風通しの良さが自慢です。互いに助け合いながら、「医師としての視点」を活かした研究ができるようバックアップしますので、研究未経験でも心配いりません。
山岡邦宏教授を中心に、毎週リサーチカンファレンス(研究ミーティング)を開催しています。大学院生からスタッフまで垣根なく集まり、お互いの研究の進捗報告や、行き詰まったところの相談を行っています。和やかな雰囲気の中にも活発な議論が交わされ、新しいアイデアが生まれる場にもなっています。
私たちは、研究に興味を持つ専攻医・研修医の皆さんを歓迎しています。研究を通じて病気の仕組みを深く理解し、実臨床にも活かせる視点を得ることができます。進学や研究に少しでも関心があれば、ぜひ連絡をお待ちしています。