研究の特色/内容

FEATURE

研究案内

 研究案内をご覧頂ありがとうございます。北里大学医学部リウマチ膠原病・感染内科学の研究室につきましてご案内いたします。当医局はリウマチ膠原病および感染症科として独立した一講座に設けられている数少ない研究室のひとつです。決して大きな研究室ではありませんが個人の能力を大事にしつつ(Flexibility)未来を見据え(Possibility)世界を目指した(Diversity)研究ができる環境を常に考え日々努力しています。リウマチ膠原病性疾患、感染症に興味のある方々と一緒に研究ができるよう常にオープンですのでいつでもご連絡下さい。お待ちしております。


令和元年度 研究室長
有沼 良幸


研究の特色/内容

 北里大学医学部リウマチ膠原病・感染内科学は北里大学病院の多様かつ十分な患者様によりもたらされた情報や検体を継承している歴史ある研究室です。臨床の場よりもたらされたclinical questionに対しその原因究明のための研究を行うのはもちろんのこと、そこから得られた知見を臨床の場へフィードバックする環境を整えています。双方向性の情報交換を行うことで基礎的研究においても向上していくことに主眼を置いています。
現在の研究として自己免疫疾患とその合併症と考えられる感染症についての病因・病態解明が主なテーマです。

 現在関節リウマチ患者における分子標的療法の出現はめざましい治療効果をもたらします。しかしながらその効果を予測すること、副作用の発症を事前に知ることは極めて困難です。当研究室では患者検体を用いて遺伝子発現の差違からその予測因子の特定をすすめています。同時に候補となる因子をマウスモデルに落とし込みノックアウトマウスを作成し、関節炎誘導モデルにおいて候補因子の病態的役割について検討を行っております。

 全身性エリテマトーデスにおいては、精神症状の発症メカニズムと自己抗体との関係性について基礎的研究を行っています。全身性エリテマトーデスの疾患特異的自己抗体はその直接的機能を持つことにより精神症状の発現や死前免疫系への影響など病態に影響している可能性について報告していきました。これら自己抗体の持つ役割解明のため細胞表面でのエピトープ探索、シグナル伝達回路についての基礎的検討を行っています。神経精神ループスに関しては脳血液関門に与える自己抗体の直接的影響、数多くの臨床検体を持っていることから中枢神経での炎症、ミクログリアの活性化と関連している分子の存在を特定し新たな病因的サロゲートマーカーの探索も行っています。

 感染症に関してはその豊富な患者数から臨床研究として各種日和見感染症のリスク因子を特定し、そのリスクを説明しうる基礎的メカニズムの解明に向けて研究を行っています。また、HIV感染症についても多くの臨床経験があり自己免疫疾患と同様に免疫異常をきたす疾患としての病態解明につながる臨床研究を推進しています。