北里大学開学と同時に膠原病・感染内科グループとして発足し、2018年10月1日よりわたくしがリウマチ・膠原病内科学主任教授を拝命いたしました。
当科で専門としているリウマチ膠原病と感染症はいずれも免疫機構がその本態を担い、全身のどこにでも異常を来たす可能性があり、2つの病態は表裏一体です。免疫機構の賦活化はリウマチ膠原病を増悪させる一方で、感染症を改善させ、免疫不全ではその逆の現象が起こります。PD-1阻害による免疫機構賦活化が悪性腫瘍に有効である一方で、自己免疫疾患の増悪・発症きたすことがあります。これらの事象は、免疫機構の適度なチューニングの重要性と難しさを表していると同時に、免疫機構が秘めている大きな可能性も示しています。不可能と思われることであっても、複雑であるからこそ思いがけない発見があり、リウマチ膠原病・感染症の新たな治療、治癒に向けたブレークスルーになるのではないかと教室員一同、試行錯誤を重ねつつ医療と医学の両面から挑んでいます。 我々は、相模原市を基盤として世界に向けた情報発信を目指しています。それには各地域の医療機関、他学・他学部との連携など多様な方々と多方面に渡り協力関係を築き、臨床・研究・教育に邁進したいと考えています。
2018年10月1日
山岡 邦宏