遺伝子解析( PCRダイレクトシーケンス法)
DNAは細胞中に存在します。したがって体のどの細胞からもDNAを得ることができるのですが、一般的には血液中の細胞からDNAを抽出します。このDNAを使って、調べたい遺伝子領域をPCR法(ある一定の長さのDNA領域を何百万倍に増幅する方法)によって増幅します。この増幅した産物をDye Terminator法で蛍光標識し、自動塩基配列決定装置(シーケンサー)を用いて遺伝子中の塩基A,G,C,Tの並び順を調べ、健康なヒトの並び順と比較し、病気を引き起こす変化があるのかどうかを調べます。
A=緑色 G=黒色 C=青色 T=赤色 と、それぞれ違う色で標識しています。
正常型の波形では、・・・・TCGCA・・・・ となっていますが.....
異常型の波形では、黒色波形のGではなく緑色波形のAに変異が生じていることがわかります。
よって、塩基配列は・・・・TCACA・・・・となっています。
この変異により発病に対し大きな影響をきたす場合病気を引き起こす原因となります。

染色体検査
ヒトには、1~22番の常染色体が各2本ずつと性染色体が2本で計23対46本の染色体が存在します。染色体の中には2~3万個の遺伝子が組み込まれていて、ヒトの体を構成する細胞の設計図となります。
染色体検査では、この染色体の数や構造を調べています。
染色体検査は他の臨床検査よりも疾患の診断に直結する場合が多いため、細心の注意を持って検査を行っています。
主な検査項目
- G分染法
- 出生前羊水染色体検査、先天性疾患染色体検査


G分染法とは、羊水や末梢血をそれぞれ適切な条件で培養し、細胞を分裂増殖させたのち標本を作製します。その後G分染を施し、各々の染色体上に縞模様(バンド)を出現させ、顕微鏡下で観察し分析する検査です。