平成22年度文部科学省「看護師の人材養成システムの確立」
フィジカルアセスメントの理解を深め、臨床において活用できる
フィジカルアセスメント研修終了者 31名(1月11日 1名欠席)
1回目 平成23年12月8日(木)8:30〜17:00
2回目 平成24年1月11日(水)8:30〜17:00
9C スキルスラボ
時間 | 内容 | 担当 | |
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8:30〜8:45 | オリエンテーション | ||
8:45〜12:15 |
Aグループ 1回目:(呼吸) 2回目:(循環) 講義 演習:シミュレーション学習 |
Bグループ 1回目(消化器) 2回目(脳神経) 講義 演習:グループワーク |
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12:15〜13:15 | 昼食 | ||
13:15〜16:45 |
1回目:(消化器) 2回目:(脳神経) 講義 演習:グループワーク |
1回目:(呼吸) 2回目:(循環) 講義 演習:シミュレーション学習 |
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16:45〜17:00 | まとめ・アンケート記入 |
看護コラボレーションセンターが実施している、「3〜5年目の看護師のコンフリクトに関する研究」から、医学的判断に自信が持てないというコンフリクトに対応するために実施した。呼吸・循環・消化器・脳神経の4つの領域を2日に分け、講義・演習形式で実施した。呼吸・循環では、シミュレーション演習、消化器・脳神経ではグループワークによって、模擬事例の演習を行なった。
研修の効果測定として、各領域のテスト(〇×形式各10問)を研修前と研修後1ヵ月で実施した。
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[満足であった・やや満足であった理由]
各領域10問、研修直前と研修後1ヶ月の2回実施
この研修は、「3〜5年目の看護師のコンフリクトに関する研究」の結果である、医学的判断に自信が持て
ないというコンフリクトに対応するために実施した。研修前アンケートからも、現場で経験している以外の領域のフィジカルアセスメントには、自信がない現状であることが明確であった。また研修を担当した集中ケア認定看護師からは、研修生たちが以前受けたフィジカルアセスメント研修の知識・技術を継続して活かせていない現状を感じたという意見が出た。今回、各領域を半日かけ、講義で得た知識を、模擬事例を用いたグループワークやシミュレーション演習によって、行動レベルの学びにつなげることを目的とし実施した。研修後アンケートからは、得た知識をその場で実践できたことが自信へとつながった理由として多くあげられていた。完全に自信がついたとは言えないが、この学びをきっかけにフィジカルアセスメントの重要性を認識し自己学習へつなげたいという研修生も多く、苦手意識を払拭できたのではないかと考える。特に今まで、異常と判断してもその後は医師の指示待ちをしていた現状に問題意識が高くなり、看護師として患者に正しくできるケアを実施していきたいという思いにもつながっていた。シミュレーション演習では、リーダーとしての適切な対応の修得をねらいにおき、SBARやコミュニケーションについて、1事例ごとに振り返りをおこなった。振り返りは、設定事例のフィジカルアセスメント・状況判断、医師への報告、メンバーへの情報共有や指示出しの場面を研修生全員でおこなった。最初は普段通り医師役の主導で行動していたが、回を重ねるごとに患者の状況やアセスメントを伝え、要求を出せるように変化していった。研修後アンケートでは、この体験を現場でも実践していきたいとの感想が多く出ていた。
またこの研修の効果測定として各領域の前と研修後1ヶ月での知識テストを実施した。各領域ともに研修後1か月での平均点の有意差は0.05以下であった。最低点も1〜2点上昇している。講義・シミュレーション演習における学びのポイントをテスト内容に置いたため、知識の向上と判断への自信につながった。
感想には、自信を持ち医学的判断を行うためにはさらなる自己学習が必要であると認識したという意見が多くみられた。シミュレーション演習の効果である自分の現状を知り、ステップアップに向けての自己の課題が見えたと考える。