平成22年度文部科学省「看護師の人材養成システムの確立」
循環領域のフィジカルアセスメントの講義の後に、1回目と同様に、「レールダル SimMan」を使用したシミュレーション演習を実施しました。今回も3人1組となり、心筋梗塞や出血性ショックなどの急性期の症例を体験しました。講師がシミュレータを操作し、患者の細かな状況を作り出せるため、緊張感のある演習になりました。戸惑う場面も見られましたが、どの研修生もSBAR(Situation(状況)/Background(背景)/Assessment(評価)/Recommendation(提案))を意識して行動していました。
症例シミュレーション後の振り返りでは、そのシミュレーションの体験者だけでなく見学していた研修生も発言し、参加者全員で症例に対する最適なフィジカルアセスメントについて話し合いました。
脳・神経領域のフィジカルアセスメントの講義の後に、二つの事例について検討するグループワークを行ないました。判断のポイントとなる「意識障害の程度の判定⇒瞳孔⇒運動機能⇒バイタルサイン⇒周囲の状況・外観の確認」に沿って、適切なアセスメントについてグループごとに話し合い、スライドで発表しました。最後に講師から事例の解説があり、「この予測には気付かなかった」や、「この判断は重要!」などの声があがり、急性期の患者さんのフィジカルアセスメントに対する視野が広がるフィードバックになりました。
日々の看護実践の中で、リーダーとしてフィジカルアセスメントをどのように行い、看護につなげていくのか?SBARなどを用いてアセスメントしたことをどのように伝えるのかを、研修生のみなさんと共有できたのではないかと思っています。今回の研修結果をもとに、よりよい研修としていけるよう工夫や改善をし、北里の看護力を向上していきたいと思っています。
今後も、アンケート調査の結果をもとに、「3〜5年目の看護師のコンフリクトに関する研究」に関連した研修を企画していきたいと思います。