INTRODUCTION
はじめに
救急領域における画像下治療(IVR)の需要は拡大し、今や最も重宝される救急医のサブスペシャリティといっても過言ではありません。一方、日本IVR学会が認定するIVR専門医は2025年の試験から日本専門医機構認定の「放射線カテーテル治療専門医」に移行することが決まっており、これまで特例として認められていた救急医がIVR専門医を取得することは事実上できなくなりました。そこで日本IVR学会は、現場のニーズを反映し、かつ救急IVRの質を担保することを目的として、救急医を対象とした救急IVR認定医を設立することになりました。
本プログラムは、救急専門医取得後のサブスペシャリティとして、救急IVR認定医(日本IVR学会認定)の取得を目的とするものです。
FEATURES
プログラムの特徴
救急医としてのスキルを維持しながら、救急IVRに必要なスキルと知識の習得が可能です。当施設では、ショックが遷延する、いわゆるNon-responderでもIVRを第一選択としているため、切迫した状況でも圧倒的な手技スピードと、合併症のない正確な手技が求められます。また、ステントリトリーバーによる上腸間膜動脈塞栓症に対する血栓除去など、本邦ではほとんど行われないアドバンスな治療も行っています。
そのため、ただ一通りの救急IVR手技ができる救急医の育成を目標とはしておらず、今後の救急IVR領域を背負っていく圧倒的な救急IVR医を育成することを目的としています。


OVERVIEW
プログラム概要
- 対象者
- 救急専門医取得後(あるいは取得見込み)の医師
- 研修期間
- 救急専門医取得後(取得見込み)の3年間※救急医として一定のレベルに到達していないと判断する場合、研修期間を延長する場合があります。
- 目的
- 救急診療において遭遇する塞栓術、non-vascular IVR、血栓除去術、末梢血管損傷に対するステントグラフト内挿術を一人で完結できるようになること。また、緊急IVRに必要な読影能力も身につけること。本プログラムを達成することで、救急IVR認定医の取得に必要な範囲もカバーします。
- 募集人数
- 各年次1名(プログラム総数3名)※プログラム総数内で調整可
- 応募と採用
- 4月または10月からの採用を基本としますが、年度途中の応募も可能です。研修開始希望日より少なくとも3カ月前までにご連絡ください。採用に関しては面接により合否を決定します。
- 勤務環境
- 研修期間中は勤務時間内のハードワークは必要ですが、長時間労働は禁止とし、時間外労働の上限はA水準(100時間/月、960時間/年以内)とします。時間外オンコールはありますが、既定の勤務インターバル(9時間)を遵守してもらいます。
- プログラム責任者
- 丸橋 孝昭(北里大学医学部救命救急医学・主任教授)
CURRICULUM
カリキュラムの共通事項
CLINICAL
救急医との両立を基本に
救急医としての勤務との両立を基本にしますが、希望があれば放射線科での短期研修も可能です(研修期間も自由に設定可能)。
IMAGING
全CTの読影
救急科でオーダーされたすべてのCT画像(体幹)の読影を行います。緊急IVRの適応判断につながる読影力を養います。
CONFERENCE
放射線科との合同カンファレンス
放射線科との合同カンファレンスに毎週1回参加します。あわせて、放射線科も含めた時間外のオンコール当番があります。
TRAINING
Off the job training
①血管模型を用いたカテーテル基本操作・ECMO/REBOA挿入練習、②フローモデルを用いたコイルの基本、③実験施設での塞栓手技の実践などを不定期に開催します。
ACADEMIC
学術・研究活動
学術活動(学会発表・論文作成)や研究活動(動物実験を含む)も積極的に行っていただきます。
YEAR BY YEAR
各学年次の目標
※要点のみ抜粋しています。
YEAR 01
1年次
MAIN GOAL第一助手を務めることができるようになる。
- シース挿入を安全に行うことができる。(エコーガイド下穿刺を含む)
- デバイスの準備を行うことができる。angioセットの準備、カテーテル内のフラッシュや血液の破棄、造影剤の用意
- 塞栓物質を用意することができる。ゼラチンスポンジ:塞栓の用途に応じた径に細断できる、pumping法にて作成できる/コイル:各業者のコイルを取り扱うことができる/NBCA:濃度にあわせた混合液を作成することができる
- EVEで大動脈一次分枝の血管に使用する親カテーテルの選択と操作ができるようになる。腕頭動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈、腹腔動脈、上腸間膜動脈、腎動脈、総腸骨動脈、内腸骨動脈
- DIRECT画像診断コースを受講する。
- DIRECTハンズオンコースに参加する。
- IVRに関する学会発表(症例報告)をする。
YEAR 02
2年次
MAIN GOAL指導医立ち会いの下、術者を務めることができるようになる。
- CT画像から疾患と塞栓すべき対象血管を判断できるようになる。
- 実臨床において、主要動脈分枝に使用する親カテーテルの選択と安全な操作ができるようになる。腕頭動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈、肋間動脈、腰動脈、腹腔動脈、総肝動脈、固有肝動脈、左胃動脈、脾動脈、上腸間膜動脈、腎動脈、総腸骨動脈、内腸骨動脈、浅大腿動脈、大腿深動脈
- マイクロカテーテルとマイクロガイドワイヤーを安全に使用できる。
- ゼラチンスポンジ、マイクロコイルを使用し、自身で止血を安全に完結できる。
- IVRに関する論文(症例報告)を1編投稿する。
YEAR 03
3年次
MAIN GOAL緊急IVRを自身で完遂することができるようになる。救急IVR認定医の受験資格を満たす(次年度に受験・取得)。
- 自身でCTを読影し、緊急IVRの適応を判断できる。
- NBCAを適切に扱うことができる。
- 血栓除去術の術式を把握している。Indigoを用いた血栓吸引、ステントリトリーバーを用いた血栓除去
- ステントグラフト内挿術の術式を把握している。Goreの開催する教育コースを受講し資格を得る。
- IVR学会が定める救急IVR認定医の必要症例をすべて経験する。
- IVRに関する論文(原著論文)を1編投稿する。
CASE VOLUME
3年間での経験症例
術者として最低限、以下の症例を経験します。※IVRレポートを提出
40例
外傷
10例
消化管出血
5例
喀血
5例
産科出血
5例
術後出血
5例
異物/血栓除去術
5例
ステント/
ステントグラフト内挿術
10例
ドレナージ術
胸腔3例/腹腔・後腹膜3例/
肝胆嚢胆管3例/その他1例
ASSESSMENT
評価とフィードバック
救急IVRを行ったすべての症例は、1例ずつ毎週行う救急科・放射線科合同カンファレンスで評価およびフィードバックを行います。自身が経験した症例はIVRレポートを提出し、各評価項目についてその都度IVR専門医によるフィードバックを行います。
また、北里大学病院救命救急医学に所属するIVR専門医が年次ごとに達成度を評価します。日本IVR学会の救急IVR認定医取得をもって、最終的なプログラム終了とします。
AFTER THE PROGRAM
プログラム終了後の進路
プログラム終了後は、特に制約や制限はなく、本人の希望に従い自由に進路選択が可能です。もちろん継続して北里大学医学部救命救急医学に所属し、学位の取得や、集中治療専門医・熱傷専門医・外傷専門医など他の専門医を取得することも可能です。
CONTACT
応募・お問い合わせ
応募・見学・お問い合わせ先
応募、見学希望、プログラムに関するお問い合わせなどは、すべて下記のメールアドレスまでお願いします。その際、件名を「救急IVR認定医プログラムに関して」としていただけると大変助かります。
kitasato.kyukyu@gmail.com〒252-0375 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
北里大学病院 救命救急・災害医療センター
電話:042-778-8111(代表)