センター長あいさつ

大学病院の中で成育医療を実現する

大学病院は、わが国ではおおむねその地域の最大の病院です。たくさんの診療科があり、毎日多くの患者さんに対して高度な医療を幅広く提供しています。たくさんの専門家と医療従事者が働いており、重症の患者さん、大きな手術、珍しい病気、生命にかかわる様々な疾病に、短期間に大量の医療資源を投入することで、迅速に対応できるのがその特長です。医療の分類上は「高度急性期」あるいは「急性期」医療を主に担当していることになります。

これに対して、「成育医療」という考え方は胎児から、小児・思春期、成人期、そして次世代を出産するまでの長い年月全体を対象として、それぞれの時期にそれぞれの患者さん必要な医療を総合的に提供し、患者さん個人の成長・人生とともに歩んでいくというものです。これまでのところ成育医療の推進は、どちらかというと「こども病院」のような小児医療専門の病院が中心になっています。そこで展開されている医療は本当にすばらしいのですが、一つだけ課題がありました。大量の医療資源を投入する必要がある場合、たくさんの輸血が必要になる場合、非常に大きな手術が必要になる場合は、こども病院の規模ではなかなか対応するのが難しいのです。

私たちは、北里大学病院に周産母子成育医療センターを作ることで、この課題を解決したいと考えました。2014年5月に新病院が開院し、本館の6階に産科・MFICU・NICU PICU・小児病棟で構成される大きなセンターが活動を開始しました。

成育医療では、産科・新生児科・小児科・小児外科・小児心臓血管外科やその他の小児の病気を専門に扱う診療科の専門医、助産師、看護師、薬剤師、栄養士、臨床工学士、臨床心理士、医療ソーシャルワーカー等の専門家が連携し、チームを組むことが必要になります。北里大学病院周産母子成育医療センターでは診療科や職種の枠を超えたチーム医療のモデルとなるような診療・ケアを提供してまいります。

このたび、2020年4月の北里大学病院西棟の開設により、旧北里大学東病院に設置されていた小児在宅支援センターが大学病院に移設され、小児在宅支援部門として、周産母子成育医療センター内の組織となりました。私たちはこの新たな体制で、大学病院における成育医療の実践を続けていく所存です。

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