西洋医学は、科学的に分析し、客観的な情報より診断をして、化学薬品を用います。急性炎症や心筋梗塞、脳梗塞、悪性腫瘍などの緊急性のある疾患や手術が必要となる疾患には西洋医学は優れており、診断精度や治療法の開発が進んでいます。また、各分野でスペシャリストと言われる各先生方もいらっしゃいます。
一方、漢方医学は、全人的医療ですので、どんな症状に対しても一人の漢方医が診療にあたります。患者さんの自覚症状を大切にし、漢方医の診察(舌・脈・腹診)を元に天然生薬からなる漢方薬を用います。西洋医学とは違って、同じ病名の患者さんでも個々に合わせた漢方薬を選択するので、同じ病名だからといって必ずしも同じ漢方薬が効くとは限りません。
また、はっきりとした診断名が付かなくても、症状と体質に合わせた漢方薬を選択することができます。漢方医学では心と体は一体であるという“心身一如”の概念があることから、目に見える症状だけでなく心も一緒に治療していく考えが元になっています。 |