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泌尿器科の代表的な疾患
膀胱尿管逆流
膀胱尿管逆流とは
尿管と膀胱の移行部には通常、逆流防止機構があり、膀胱の尿は尿管、腎盂へ逆流することはありません。 この逆流防止機構が様々な原因で破綻し、膀胱内の尿が尿管や腎盂へ逆流する状態を膀胱尿管逆流といいます。
原因
先天性膀胱三角部形成不全や神経因性膀胱などによる排尿障害などが原因で生じます。 成長とともに膀胱尿管逆流が消失する方もいます。
症状
逆流そのものでは無症状のことが多く、発熱や背部痛などの腎盂腎炎による症状や巨大水腎症による腹部腫瘤、 健診での尿蛋白や腎機能障害などにより気づかれます。
診断
排尿時尿道膀胱造影
膀胱内の尿が尿管へ逆流することが確認できます。軽度の逆流の場合には1回の検査では逆流がみつかりにくいこともあります。
超音波
乳幼児などの定期検診で腎盂や尿管の拡張として検出ます。
膀胱鏡
尿管口(尿管が膀胱に開口しているところ)の位置や形態を観察いたします。
核医学検査
アイソトープを用いた腎シンチグラフィ(99mTc-DMSA)により腎瘢痕など腎機能を評価します。
治療法
保存的治療
腎機能障害がなく、自然消失が期待できる場合(逆流の程度が軽度、低年齢、片側例など)は 抗菌薬などで腎機能障害の原因となる尿路感染をコントロールし自然消失を期待します。
手術
高度の逆流や自然消失が期待できない症例などは逆流防止術を行います。続発性の場合は、原因疾患に対する治療が優先されます。