ME部の業務

機器管理部門

方針イメージ

輸液ポンプの点検

業務の概要
機器管理部門では主に、約4,000台の院内共有医療機器の点検業務や貸出・返却などの集中管理を行い、安全な医療機器が患者さんに提供できるよう業務を行っています。また機器管理部門は、医療機器の集中管理だけでなく、一般病棟や内視鏡センターなどのセンター系で発生する人工呼吸器関連業務、デバイス関連業務、補助人工心臓関連業務、在宅呼吸器関連業務などの臨床業務も行っています。

人員数
機器管理部門は、統括1名、チーフ1名、メンバー3~4名、補佐1名で構成されます。人員を定期・日常点検担当、病棟業務担当に分け業務を行っています。
主な管理機器(主要5機種程度の保有台数)
人工呼吸器(小児含)100台 シリンジポンプ540台 輸液ポンプ350台 パルスオキシメーター160台 逐次型空気圧式マッサージ器100台

業務量(2019年度)
貸出件数55,731件 返却件数55,834件 定期点検数3,824件 ハイフローセラピー導入件数801件

手術センター部門

ダヴィンチロールイン

1.業務内容
○総合手術センター機器管理業務
総合手術センターで使用している機器は約150機種、480台あります。これらの機器の中には、毎日使用される機器から年に1回程度しか使用されない機器まで様々ありますが、すべての機器が正確に、安全に作動し、患者様へ正確で安全な手術を提供できるように、機器管理業務を行っています。ME部では、機器の購入から更新・廃棄までのすべてのサイクルにおいて管理しています。また、すべての機器は年1回以上の定期点検を行っており、一部の特殊機器を除いて部内で点検を行っています。
2.活動場所
○総合手術センターME機器室
総合手術センター内の一画に配置し、手術で使用される特殊な機器を最低限の移動で点検することができます。入口が2か所になっているため、機器の返却と貸出が交差しないように感染に配慮した1wayの動線になっていて、その間に点検エリアがあります。

手術用機器管理業務
1.業務内容
○総合手術センター機器管理業務
総合手術センターでは年間約14,000件を超える手術を行っています。手術用の医療機器は年々増加し、より複雑で高度になっているため、患者様へ正確で安全な手術を提供できるように、使用前・使用後点検、トラブル対応などを行っています。
○ラウンド業務
総合手術センターは27室あります。すべての部屋で医療機器が使用されているため、手術中に手術室ラウンドを行い、医療機器が安全に正しく使用されているか点検をしています。
○機器準備・操作介助
手術で使用する機器の中には、使用前に回路等の組み立てが必要なものがあります。さらには実際に使用しているときに操作が必要なものがあり、MEが手術中に医師の指示のもと機器操作を行っています。
2.活動場所
○中央手術室エリア
全20室あります。一般手術室、クリーンルーム、内視鏡手術室、ハイブリッド手術室(IVR装置・CT装置)など高機能手術室となっています。
○外来手術室エリア
全7室あります。部屋は小さいですが、通常の手術室と同じ機能があります。
3.使用機器
○内視鏡・ロボット手術関連業務
低侵襲である内視鏡手術が多くの施設で行われています。最近ではさらに3D内視鏡手術・ロボット支援下手術・4K内視鏡手術が行われるようになってきました。
内視鏡手術は4~5か所の数cmの穴だけで安全に行うため、様々な機器が使用されます。手術室での内視鏡関連装置との接続やセッティングをMEが行っています。
○ダヴィンチ手術
当院では2013年10月よりダヴィンチSiを使用したロボット手術が行われています。2018年12月からは、ダヴィンチXiとダヴィンチXの2台体制となり、前立腺・膀胱・腎臓・胃・直腸・食道・縦隔・肺・心臓・子宮・咽頭・肝臓の手術で使用されています。
機器の配置や起動、術中の機器の移動や周辺機器との連動確認などMEが看護師と協力して準備を行っています。

 

 

集中治療センター(GICU)


 

人工呼吸器の使用中点検

当院のGICUは本館4階に位置し、各科主治医と麻酔科医が協同して治療にあたるオープン型ICUとなっています。病床数は10床で各ベッドが個室となっています。入室対象患者は術後や院内急変の患者です。
GICUでのME部スタッフの配置としては、集中治療部門から業務を担当するスタッフが日勤1名、夜勤1名の24時間体制で配置職員が決められています。
業務としては、人工呼吸器や補助循環装置、持続緩徐式血液浄化装置といった生命維持管理装置の導入介助や使用中のラウンド点検を行っています。また、機器管理業務として常設機器の定期点検や問い合わせ対応、トラブル対応だけでなく、新規医療機器導入時には研修会を開催し、医療機器が安全に使用できるよう業務を行っています。

主な管理機器(主要5機種程度の保有台数)
ベッドサイドモニタ、部門システム
人工呼吸器
持続緩徐式血液浄化装置
ECMO装置
経皮的ポンプカテーテル(Impella)
IABP装置

救命救急災害医療センター


 

呼吸器感染症患者のECMO管理

救急外来では、三次救急で搬送されてきた患者様の治療を行っています。
また、屋上ヘリポートやドクターカーを所有しており、大規模災害などの多数の患者様への治療や消防からの要請があった場合には医師・看護師がドクターカーに搭乗し救急現場へと出向き、早い段階での治療が行えています。
搬送されてきた患者様は蘇生室で初療を行い、検査や治療が伴った場合にはCT室や血管造影室にて行われます。そこでMEは心臓カテーテル検査や補助循環装置(ECMO・Impella・IABP)の準備・導入介助を行っています。
救急外来で必要とする機器・物品を保管する機器庫・技士室があり、整備済みの補助循環装置や輸液・輸注ポンプ・消耗物品などを置いています。
EICUでは、救急外来で初療が終了した患者様のうち、入院が必要で急性期医療を必要とされる患者様が入室するエリアです。そこでMEは救急外来で導入となった補助循環装置の管理や敗血症・急性腎障害の患者さまに対してCRRT装置の管理、人工呼吸器の管理・保守点検を行っています。

周産母子成育医療センター


保育器の整備

 

周産母子成育医療センターは産科病棟、母体胎児集中治療室(MFICU)、分娩室、新生児集中治療室(NICU)、小児集中治療室(PICU)、小児病棟によって構成されています。ME部は周産母子成育医療センター内でGICUや救命救急と同様に毎日1~2名が担当し、業務を行います。
急性期では主に人工呼吸器やECMO、VAD(補助人工心臓)、CRRTといった生命維持管理装置を中心に導入管理、ラウンド点検を行っています。また、小児科の患者を中心とした、在宅人工呼吸器を装着して自宅退院を目指す患者・患者家族への人工呼吸器や医療機器の使用方法の教育、環境調査、人工呼吸器装着下でのバギーや自家用車などへの移乗練習を行っています。どちらも医師や看護師をはじめ、リハビリや放射線などの多職種との連携がとても重要です。
 医療機器の保守管理では、センター内で特化して使用される新生児・小児用人工呼吸器や保育器、分娩監視装置などの日常・定期点検業務を中心に行っています。

IVR業務


 

心臓カテーテル検査

 IVRセンターは4部屋あり、最新のカテーテル治療に対して業務を行っています。臨床工学技士は、主に循環器領域のカテーテル業務に対応しています。成人心臓カテーテル検査には、スタッフ1名を配置し、冠動脈、弁膜症、心不全の冠血流予備量比測定や心内圧測定の機器操作を行っています。また、冠動脈治療で使用する光干渉イメージング装置の操作やロータブレーターなど特殊治療機器の介助を行っています。小児心臓カテーテル検査には、スタッフ1名を配置し、先天性心疾患の血行動態を把握し、心内圧力測定、心内血液ガス分析、人工呼吸器管理などの業務を行っています。電気生理学検査には、スタッフ2名を配置し、心内心電図の解析や不整脈を誘発する電気刺激装置の操作を行っています。また、不整脈の電気回路を特定できる3次元マッピング装置の操作を行っています。

人員数
IVRデバイス部門は、統括1名、リーダー1名、メンバー3~4名で構成されています。

主な管理機器
ポリグラフ2台 光干渉イメージング装置1台 血管内超音波装置1台 ロータブレーター1台
CARTO1台 Ensite1台 RHYTHMIA1台

業務量(2020年度)
成人心臓カテーテル検査 1,284件(検査612件 治療271件 EPS401件)
小児心臓カテーテル検査 40件(検査38件 治療2件)

デバイス業務


 

ペースメーカー外来

VAD外来

植込み型心臓デバイス業務には、スタッフ1名から2名を配置して対応しています。植込み型補助人工心臓は、4機種の機器を取り扱っています。入院中は、患者本人と介助者に対して、機器の知識、操作教育やバスなどの公共機関の乗り物や人で混雑する状況での管理方法などの教育も行っています。外来は、使用中の機器の点検やアラームの有無の確認を行っています。また、日々の駆動状態やバイタルサインの確認に当院独自のVAD手帳を活用し、作動状況の確認をしています。
ペースメーカ、ICD、CRTなどデバイスでは、病棟や外来での作動確認、放射線領域や手術での立会い業務など行っています。機器の操作スキルだけではなく、幼児から高齢の方に合わせた患者対応やコミュニケーションスキルも重要で、患者との会話も大事にしています。また、在宅医療において遠隔モニタリングを活用し、デバイス作動状況の確認を行っています。

主な管理機器
HeartMateⅡ Jarvik2000 HVAD HeartMate3 

業務量(2020年度)
植込型補助人工心臓外来 72件
デバイス外来 2,009件(PM、ICD、CRTD)
遠隔モニタリング件数 4,650件
リードレスPM植え込み 13件
植え込み型心電計 12件
着用型除細動器導入 17件
デバイスMRI撮影立会 46件

小児在宅支援業務


 

医療的ケアを必要とする重症心身障害児の在宅療養を支援する病棟にスタッフ1名を配置し、在宅人工呼吸器患者の在宅移行支援、メディカルショートステイに対応しています。当院の外来通院患者だけでなく、相模原周辺はもとより県外からも多くの方が利用されています。在宅移行支援では、家族や介助者に在宅管理における人工呼吸器や周辺機器の知識や操作教育を行っています。メディカルショートステイでは、在宅人工呼吸器装着患者の入退院対応や安全ラウンドチェックを行っています。在宅管理中でも患者が安心して生活できる環境づくりを目指して、人工呼吸器や周辺機器の相談やメーカーへ協力依頼なども行っています。外来では、在宅人工呼吸器の設定やアラームの発生有無などの使用状況を確認しています。人工呼吸器物品だけでなく用手式人工呼吸器などの周辺機器の管理も行っています。

主な管理機器
Trilogy100plus カフアシストE70  クリーンエアASTRAL(他院管理機器)

業務量(2020年度)
人工呼吸器外来 262件
在宅支援病棟入退院対応168件

人工心肺部門


 

MICS手術に対する人工心肺(ダヴィンチ症例)

業務の概要
人工心肺部門業務の中心は心臓血管外科手術に伴う人工心肺操作です。成人症例では弁膜症、虚血性心疾患、大動脈疾患、補助人工心臓移植など様々な症例に対応し、小児症例でも心室中隔欠損症から左心低形成症候群などの複雑心奇形まで様々な症例に対応しています。成人・小児合わせて毎年200例以上の症例に対応しています。また当院の人工心肺部門はハイブリッド手術室での手術対応も行い、リード抜去術に加えて、2016年より経カテーテル大動脈弁置換術、2019年より経皮的僧帽弁クリップ術、経皮的心房中隔欠損閉鎖術、2020年より経カテーテル的左心耳閉鎖術、経皮的卵円孔開存閉鎖術の対応を開始し、人工心肺スタンバイやポリグラフ操作、エキシマレーザー操作などを行っています。さらに補助人工心臓の機器操作や植込型ペースメーカー、植込型除細動器、心再同期療法の移植・交換術でのプログラマー操作も行い、上記デバイスを使用した手術立会も対応しています。

人員数
人工心肺部門は統括1名、チーフ1~2名、メンバー1~2名で構成されます

主な管理機器
人工心肺装置3台 冷温水槽3台 心筋保護液供給装置3台 NIRSモニタ2台 
ポリグラフ1台 手術用ロボットイソップ1台 超音波血流計VeriQ 1台
心臓用冷凍手術装置cryoICE 1台

人工心肺症例数 成人176例 小児63例 計239例(緊急78例)
人工心肺非使用CABG8例 リード抜去術12例
TAVI59例 経皮的僧帽弁クリップ術19例 経皮的心房中隔欠損閉鎖術5例
経皮的卵円孔開存閉鎖術1例 経カテーテル的左心耳閉鎖術4例
植込型ペースメーカー移植術54例 交換36例
植込型除細動器移植術12例 交換19例
心再同期療法移植術28例 交換10例
デバイス手術立会94例
植込み型補助人工心臓移植3例 小児補助人工心臓移植1例
VATS-PDA(イソップ使用)対応3例

血液浄化部門


 

プライミング

業務の概要
血液浄化部門では、腎代替療法の一つである血液透析療法をはじめ、血漿交換療法・血漿吸着療法や血球成分除去療法、腹水濾過濃縮再静注療法などのアフェレシス療法、末梢血幹細胞移植のための末梢血幹細胞採取などの治療を行っています。業務内容はプライミング、抗凝固剤調剤、穿刺、治療管理、返血、片付けなどです。これらの業務を血液浄化センター(病床数25床)と移動が困難な重症患者のために集中治療室(GICU・EICU)へ出向いて行っています。

人員数
血液浄化部門は、統括1名、チーフ1名、メンバー(専任スタッフ、ローテータ)3~4名で構成されています。

主な管理機器
多用途透析用監視装置 25台、個人用透析用監視装置 3台、血液浄化装置 3台、セントラル透析液供給システム 1式、個人用水処理装置 2台

業務量(2020年度)
血液透析療法4,958件、血漿交換・血漿吸着療法 272件、血球成分除去療法 176件、腹水濾過濃縮再静注療法 42件、末梢血幹細胞採取 9件