研究

肺癌と微乳頭構造

研究課題:微乳頭構造を有する肺腺癌をモデルとした癌の転移・浸潤メカニズムの解析

目的

微乳頭構造を有する原発性肺腺癌の癌細胞とストローマにおいて、EP3受容体の発現及び骨髄由来のVEGFR1陽性細胞の発現が非微乳頭構造の腺癌と比較し有意に増強しているか否かと、血管新生促進因子等(Vascular Endothelial Growth Factor, VEGF; Stromal Derivery Factor-1, SDF-1; Angiopoietin, Ang1,2)の発現を検討すること。

対象

北里大学病院呼吸器外科にて切除された原発性肺腺癌の手術検体と細胞診材料で、150例の予定です。

研究期間

承認日~平成30年3月31日

研究実施場所

北里大学病院 呼吸器外科

研究方法

A.手術検体と細胞診材料

解析の対象は北里大学医学部呼吸器外科で切除された肺腺癌のうち、病理組織学的に微乳頭構造を有すると診断された肺腺癌の切除例の手術検体と細胞診材料です。対照群としては同時期に切除された肺腺癌で、真の乳頭状構造を示す癌で且つ微乳頭構造が陰性と判定された症例の外科的切除された手術検体と細胞診材料を用います。なお、これらは当院所定の文書により同意の得られた患者から採取された手術検体と細胞診材料です。

B.対象患者さんの臨床情報及び予後調査

対象となった患者さんの喫煙歴、合併症の有無などの詳細の臨床情報、臨床診断及び予後調査を、診療録などを用いて疫学的事項について調査します。なお、研究開始後も5年間の予後を通常の診療と同様にフォローアップします。フォローアップは外来にて通常と同様の定期的検査を行います。すなわち、3~4ヵ月に一回の血中腫瘍マーカー検索、年1~2回の胸部CT検査を含めた画像診断を施行し、肺癌再発の有無をモニタリングします。

C.免疫組織化学による切除肺組織と細胞診材料におけるEP3受容体及びVEGFR1の発現評価

D.免疫組織化学による切除リンパ節におけるEP3受容体及びVEGFR1の発現評価

E. 5年生存率 (あるいは10年生存)の検討

研究対象患者さんの安全対策

外科的に切除された病理・細胞診検体を用いるため、特に安全上の問題点にはなりません。

研究対象患者さんの人権保護

病理検査報告、臨床情報、予後情報等の取扱いについては、学校法人北里研究所の倫理指針に基づき、研究対象患者さんの機密保護について配慮します。なお、研究対象患者さんの個人情報は大学病院内においてのみ使用されます。

研究組織

研究代表者
佐藤 之俊 呼吸器外科学 教授
研究協力者 塩見 和 呼吸器外科学 講師
松井 啓夫 呼吸器外科学 診療講師
佐藤 雄一 医療衛生学部 教授
内藤 雅仁 呼吸器外科学 助教
三窪 将史 呼吸器外科学 助教
山﨑宏継 呼吸器外科学 助教
園田 大 呼吸器外科学 助教
林 祥子 呼吸器外科学 助教

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