精巣がん
Renal pelvis and Ureter cancer
精巣がんとは
20〜30歳代をピークとする比較的若い男性の精巣(睾丸)に発生するがんです。
抗がん剤を含めた治療の進歩により精巣がんは全体でみると80〜90%において治療が期待できるがん腫です。
症状
痛みを伴わない陰嚢(精巣)の腫れで来院される方が大半ですが、3割程度は精巣痛を主訴に来院されます。
そのほかに転移している病巣による症状(胃腸症状、腹部腫瘤、息切れなど)が見られたり、乳房部痛など内分泌症状を呈することがあります。
診断
- 精巣超音波検査
- 血液検査(腫瘍マーカー;AFP, hCG,β-hCGなど)
- 胸部X線、腹部超音波、CT、MRI等による転移(病気の広がり)の診断
治療法

まず、高位精巣摘除術(患側の精巣、精巣血管、精管の切除)を行います。手術は原則的に右図の如く鼠径部を数センチ程切開し、通常1時間程度で終了します。
病理組織検査により、組織型がセミノーマまたは非セミノーマが判明し、画像診断や腫瘍マーカーの値とあわせて病期も決定します。組織型や病期、国際胚細胞癌共同研究グループ(IGCCC)のリスク分類などを考慮して、経過観察、放射線療法、化学療法、後腹膜リンパ節郭清術などの治療をすすめていきます。
化学療法
導入化学療法としてBEP療法(ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチン)を3-4コース行います。
BEP療法後の再発例や難治例に対する2次化学療法としてVIP療法(ビンブラスチン、イフォスファミド、シスプラチン)やタキサン系抗癌剤(パクリタキセル)を用いた化学療法を行います。
後腹膜リンパ節郭精
セミノーマ、非セミノーマにより適応が異なりますが、一般的に化学療法後の残存腫瘍に対して、正確な後腹膜リンパ節の病理診断、治療方法の決定のために行います。
治療法の詳細は下記がん情報サイトをご参照ください。