変性疾患

パーキンソン病(PD)はアルツハイマー型認知症(ATD)に次いで2番目に頻度の高い神経変性疾患です。一般的な有病率は約150人/10万人とされていますが、70歳代の高齢者では800人超とする報告もあり,すでに超高齢化社会の日本ではさらなるPD患者さんの増加が予測され、高齢PDの増加に伴い、認知症・精神症状を合併するレヴィー小体認知症も注目されています。

また、1997年 米国での大家系PDの遺伝子解析がなされて以来、家族性PDの遺伝子解析が盛んに行われましたが、PARK8と称される家族性PD家系は北里大学より報告されました。黒質の変性により線状体でのドパミンの減少が病態とされ、薬物療法が中心となっています。近年,特定の宿主蛋白質がその高次構造変換のため難溶性となり、組織・細胞に異常蛋白質が蓄積する疾患群をコンフォメーション病と称され注目をあび1998年 α-シヌクレインがレヴィー小体の主要構成成分とされ、ATDとともにその代表的疾患とされています。

私たちのグループは、パーキンソン病を含む関連疾患においてエビデンスの高い最先端の内科的な治療法を提供します。さらにこれら変性疾患は、組織・細胞内に蓄積した難溶性蛋白が神経細胞の機能障害を生じるため、異常蛋白の生成抑制や排除が治療ターゲットと考え、それらをふまえて病因解明・治療の一端を担うべく研究を推進しております。

現在進行中の臨床研究について

研究課題名:神経変性疾患病理解剖時における脳病理組織の異常蛋白凝集と神経細胞死の疾患共通メカニズムについての研究

 

2019年4月1日

患者様医療情報の研究利用について


 現在、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症等の神経変性疾患についてタウ蛋白、シヌクレイン蛋白、アミロイド蛋白などの特殊な蛋白が蓄積することが病因のひとつと指摘されておりますが、未だ正確な機序は不明で治療法への開発には至っておりません。それぞれの患者さんで、どのような特殊蛋白が脳神経細胞で多いか、どのような蛋白がそれぞれ関わっているかなど不明であり、それらを解明することでワクチン等の新たな治療法の開発が期待されます。この度、北里大学医学部脳神経内科学では、すでに患者さんからの剖検をお願いした方の組織の一部を上記目的のために解析させて頂きます。

 調査対象となるのは、1999年4月1日から2018年12月31日までに北里大学及び北里大学東病院で剖検を提供して頂いた被験者または被体提供者の方を対照とします。

 本研究で調査する項目は、剖検脳における特殊蛋白の発現の解析です。これらの情報を分析・保存する上で、すべての患者の皆様は匿名化(名前が分からない状態にすること)され、氏名や住所などの個人情報は一切公表されることはございません。

 収集したデータは、北里大学医学部脳神経内科学の研究室で分析され、研究実施期間中は施錠のできる戸棚に保管されます。今回の研究で得られた結果は、個人が特定されないかたちで、学会や雑誌などで報告されることがあります。

 本研究の調査対象に該当する患者の皆様で、調査の参加に同意されない方は、下記の連絡先までお申し出ください。また、本研究に関して、質問などがございましたら、下記の連絡先までご連絡下さい。

連絡先
〒 252-0374
神奈川県相模原市南区北里1-15-1
北里大学医学部脳神経内科学
研究代表者:西山和利
研究担当者:阿久津二夫、飯塚高浩、永井真貴子
TEL: 042-778-8111

主な業績

  1. Yasuda T, Nihira T, Ren YR, Cao XQ, Wada K, Setuie R, Kabuta T, Wada K, Hattori N, Mizuno Y, Mochizuki H. Effects of UCH-L1 on a- synuclein overexpression mouse model of Parkinson's disease. J Neurochem 2008 in press.
  2. Obi K, Akiyama H, Kondo H, Shimomura Y, Hasegawa M, Iwatsubo T, Mizuno Y, Mochizuki H. Relationship of phosphorylated alpha-synuclein and tau accumulation to Abeta deposition in the cerebral cortex of dementia with Lewy bodies.Exp Neurol. 2008 Apr;210(2):409-20.
  3. Oizumi H, Hayashita-Kinoh H, Hayakawa H, Arai H, Furuya T, Ren YR, Yasuda T, Miura M, Mizuno Y, Mochizuki H. Alteration in the differentiation-related molecular expression in the subventricular zone in a mouse model of Parkinson’s disease. Neurosci Res 60, 15-21, 2008
  4. Yasuda T, Miyachi S, Kitagawa R, Wada K, Nihira T, Ren YR, Hirai Y, Ageyama N, Terao K, Shimada T, Takada M, Mizuno Y, Mochizuki H. Neuronal specificity of alpha-synuclein toxicity and effect of Parkin co-expression in primates. Neuroscience.144 743-753, 2007
  5. Seki T, Namba T, Mochizuki H, Onodera M. Clustering, migration and neurite formation of neural precusor cells in the adult rat hippocampus . J Comp Neurol, 2007 May 10;502(2):275-90.
  6. Namba T, Mochizuki H, Onodera M, Namiki H, Seki T. Postnatal neurogenesis in hippocampal slicecultures: early in vitro labeling of neuronal precursor cells leads to efficient neuronal production. J Neurosci Res, 2007 Jun;85(8):1704-12.
  7. . Setsuie R, Wang YL, Mochizuki H, Osaka H, Hayakawa H, Ichihara N, Li H, Furuta A, Sato Y, Sun YJ, Kwon J, Kabuta T, Yoshimi K, Mizuno Y, Aoki S, Noda M, Wada K. Dopaminergic cell loss in transgenic mice expressing the Parkinson’s disease?associated UCH- L1 I93M mutant. Neurochemistry International 50(1):119-29, 2007
  8. Cao XQ, Arai H, Ren YR, Ooizumi H, Zhang N, Seike S, Furuya T, Yasuda T, Mizuno Y, Mochizuki H. Recombinant human granulocyte colony-stimulating factor protects against MPTP-induced dopaminergic cell death in mice by altering Bcl-2/Bax expression levels. J Neurochemistry 99 861-867, 2006.