留学報告
助教 園田大
私は2024年4月からカナダのトロント大学の安福和弘教授の研究室に留学させていただいております。
安福和弘教授は超音波気管支鏡(EBUS)を開発された先生で、研究室ではブタなどの大型動物を使ったEBUSの研究をはじめ、臨床検体を使った研究や、他の研究室との共同研究など、様々な研究が行われています。研究室にはたくさんの施設より留学に来られている先生方がおり、様々なバックグラウンドを持つ先生方と話すことで、いろいろな知見が得られています。
私の研究はというと、Ming-Sound Tsao教授の研究室とコラボレーションをしてオルガノイドを用いて肺癌の研究を行っております。オルガノイドは3次元で培養を行う方法で、一般的な細胞株と比較して、より生体に近い状況を作ることができます。私はオルガノイドの培養は初めてで、右も左もわからない状況のなか慣れない英語に四苦八苦しながら少しずつ勉強をしておりますが、ようやく培養などの方法が分かり、少しずつオルガノイド研究の面白さが分かってきた今日この頃です。
また、生活面では、カナダでの生活にようやく慣れてまいりました。私は大学を卒業するまで海外旅行の経験すらなく、初めて海外にいったのは呼吸器外科入局後に佐藤教授に連れて行っていただいた国際学会でした。そのため、初めての海外での生活は不安でしかたがありませんでしたが、カナダは想像以上に安全で安心して普段の生活を送れております。
しかし、当然ですがカナダは文化の面では日本と大きく異なります。例えば、地下鉄が遅れることや止まることは日常茶飯事ですし、外食でも日本ほど良質な食事が出てくることはまずありません。その反面、カナダはとてもおおらかな雰囲気で親切な人も多く、いろいろな方に助けていただくこともしばしばです。カナダは多民族国家で、たくさんの人種が混在しており、日本人が歩いていてもあまり違和感がありません。スーパーなどで他のお客さんから突然話しかけられ世間話をすることもあり、日本とは違う異文化を肌で感じながらとても刺激的なカナダ生活を送っております。
最後になりましたが、このような機会を与えていただきました佐藤教授をはじめ呼吸器外科学教室スタッフの皆様、そして私を受け入れていただきました安福教授をはじめ安福ラボの皆様に深く御礼申し上げます。