研修希望の方へ

研修希望の方へ

はじめに

現在、肺癌は本邦における部位別悪性新生物死亡率の第一位であり、その数は年々増加の一途にあります。さらに、呼吸器外科関連の手術件数も増加の一途を辿っています(2020年度の新型コロナ感染を除いて)。このように呼吸器外科医の必要性は年々高まっていますが、全国的に不足しているのが現状です。当科では、人格、知識、技術ともに優れた呼吸器外科医育成のためのプログラムをプランし、入局希望の方に提案しています。

大学病院で経験可能な呼吸器外科的疾患は多岐にわたり、肺癌を主体として、転移性肺腫瘍、気胸、胸腺腫、胸腺癌、縦隔腫瘍、重症筋無力症、縦隔炎、多汗症、良性肺腫瘍、炎症性肺疾患、膿胸、胸部外傷など数多くの疾患について、自科内のみならず他科との緊密な連携を通じて研修できます。診療内容については、当ホームページの「診療実績」を御覧ください。

近年、女性の呼吸器外科医も増加しており、当科でも自立した呼吸器外科医育成にむけて十分研修が行えるようプログラムを考えています。 まずは、見学、実習に来てみてはいかがでしょうか。
見学、実習希望の方は、下記までご連絡下さい。

住所
〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里 1-15-1
TEL
042-778-8111
FAX
042-778-9741
北里大学医学部呼吸器外科学
主任教授 佐藤之俊 (さとうゆきとし)
e-mail
ysatoh@med.kitasato-u.ac.jp

診療実績(2022年度)

病床数
13床 (呼吸器センター全体では82床)
外来患者数
5,218 名
新入院患者数
305 名
平均在院日数
11.9 日
手術件数
231 件

教育プログラム

2024年度に北里大学初期研修プログラムに入り、同時に入局された、もしくは入局希望された場合の内容です。2024年度で初期研修を終了される予定の場合には、3年目以降のプログラムからとなります。

なお、当科の研修の特徴は、研修者個々の希望を聞きながら、外科としてのチームワークを大切にして、高度専門性に対応可能な呼吸器外科医育成を目指し、研修プログラムを作成していることです。また、後期研修プログラムには、専門医を目指すコース以外に合計4つのコースが設置され、それぞれに特徴を生かした教育が用意されています。

また、研修医、病棟医を対象とした外科手技ではK-STEPというプログラムを行っています。このプログラムでは、ドライラボとウェットラボを併用し、初期研修医は切開、結紮、縫合の基本を習得します。後期研修医(病棟医)はドライシミュレーターを用いて胸腔鏡手術の基本を習得すると共に、呼吸器外科学会のドライ胸腔鏡セミナー受講レベルを目指したトレーニングを行います。さらに、ウェットラボトレーニングとして、皮膚縫合や複雑な切創の縫合、真皮縫合、肺葉切除、気管支縫合などのトレーニングを行います。

研修の概要


  • アーリー・エクスポージャー(医学部3・4年)
  • 学生論文制作(医学部3-6年)
  • 臨床実習(医学部5年)
  • 選択実習(医学部6年)一部院外実習あり

  • 上級医による直接指導
  • 呼吸器センター症例検討会
  • 病理・細胞診カンファレンス
  • K-STEP

  • 術前・術後カンファレンス
  • 臨床研究、学会発表
  • K-STEP
  • ドライラボ、ウェットラボトレーニングへの参加推進

  • 専門分野での臨床トレーニング(関連施設での研修)
  • 基礎・臨床分野での臨床研究
  • 大学院博士課程、留学

募集人員

初期研修 2~3名
後期研修 年度により異なるが基本的には人数制限なし

研修内容の詳細

2024年度(1年目)

初期研修1年目

初期研修として、1,2年次は北里大学病院の臨床研修体制のもとに行われる。
それらの経験目標の概要は下記のとおりであるが、いずれも指導医とともに行われる。

  • 診察(問診、全身の診察)
  • 検査(気管支鏡検査など)
  • 治療方針の決定(チャート回診にて治療方針を検討する)
  • 血管穿刺と採血
  • 胸腔穿刺
  • 手術(皮膚・筋肉・胸膜切開、胸腔ドレーン留置、筋肉・皮膚縫合など)
  • 処置(創処置、局所麻酔、導尿、胃管挿入、気管カニューレ交換など)
  • 注射(皮内、皮下、筋肉、末梢静脈)
  • 処方

2025年度(2年目)

初期研修2年目

初期研修として、1,2年次は北里大学病院の臨床研修体制のもとに行われる。それらの経験目標の概要は上記のとおりであるが、いずれも指導医とともに行われる。

2026年度(3年目)

後期研修として3、4年目のうち少なくとも1年間を一般外科で研修する。また、3-5年目のうち、一定期間を北里大学病院心臓血管外科にて研修を行う。

  • 指導医の指導の下、気胸、重症筋無力症の手術、胸腔鏡手術など手術手技を学習
  • 画像診断、気管支鏡検査手技、呼吸機能評価を学習
  • 術後管理を含めた全身管理を学習
  • 術前後合併症(糖尿病、高血圧、不整脈、冠動脈疾患など)の管理を学習

    研修病院(予定)
    国立病院機構相模原病院
    JA長野厚生連佐久医療センター

2027年度(4年目)

連動型研修として呼吸器外科専門研修カリキュラムを開始する。

  • 指導医の指導の下、肺葉切除手術などの肺癌に対する標準的な手術手技を学習する。
  • 病棟医として指導医の指導の下、一定の責任をもちながら患者の術前、術後管理にあたる。

2028、2029年度(5年目、6年目)

  • 指導医の指導の下、肺葉切除術、リンパ節郭清術などの手術手技を学習
  • 後期研修医の指導を行いながら、受け持ち医として責任を持って患者の術前、術後管理を行う。(オプション)
  • がん専門病院にて専門研修を行う。

    研修病院(予定)

    がん研究会有明病院
    静岡県立静岡がんセンター
    横浜栄共済病院
    北里研究所病院
    佐久医療センター

2030年(7年目)以降

  • 病棟チーフとして呼吸器外科入院患者全体のコントロールを行う。手術予定、入退院のコントロールを責任を持って行う。
  • 指導医の指導の下、気管支形成術、血管形成を必要とする肺葉切除、胸膜肺全摘術などの手術手技を学習
  • 外科専門医を取得し、さらに呼吸器外科専門研修カリキュラムが終了している場合、卒後7年目に呼吸器外科専門医試験受験が可能である。

上記は研修の1例です。各人の希望等によって適宜変更が可能です。
これらのプログラムとカリキュラムによって外科専門医、呼吸器外科専門医、呼吸器内視鏡専門医、指導医の取得を目標としていますので、この間に適宜、一般外科研修などが組み込まれています。なお、専門医取得には学会発表、論文作成が必須であり、全国集会や国際学会での学会発表、和文ならびに英文論文の作成を指導医の指導のもとに、早い時期から行います。

博士号取得について

学位取得希望者には大学院ならびに社会人大学院コースを設定します。現在は2名が大学院に在籍しています。

留学について

留学を推奨しており、留学希望者には、相談の上、時期、期間、留学先を設定します。現在は1名が米国ボストンに留学しています。

研修週間スケジュール

  午前 午後 夕方
抄読会
チャート
カンファレンス
呼吸器外科手術
術後カンファレンス
チャート
呼吸器外科手術 第3火曜日
17:00~18:00
呼吸器外科病理細胞診カンファレンス
呼吸器センターカンファレンス 病棟業務・気管支鏡検査 術前カンファレンス
チャート
カンファレンス
呼吸器外科手術
術後カンファレンス
チャート
病棟業務
病棟業務  

指導体制

指導責任者 指導者
佐藤 之俊 主任教授 三窪 将史 准教授
    塩見 和 診療准教授
    内藤 雅仁 診療講師
    玉川 達 助教

評価方法

研修記録提出と学会発表などの業績による評価をおこなう。

研修プログラム修了の認定

プログラム責任者(科長)が認定する。
卒後5年目以降には外科専門医取得が、7年目以降には呼吸器外科専門医の所得が可能である。

研修プログラム終了後の進路

初期研修と後期研修としての呼吸器外科病棟医の合計5年間の研修を終了し、外科専門医を取得したのちに、さらに呼吸器外科専門医取得のためには呼吸器外科専門医研修カリキュラムを修了する必要がある。呼吸器外科専門医取得に必要な期間は卒後最短6年間であり、本カリキュラム終了後も引き続き北里大学あるいは専門医認定修練施設における修練を行う。呼吸器外科専門医を取得後は、大学における診療・教育・研究、大学院進学、関連病院での診療などの進路が選択可能である。

連絡先 (担当医師名)

〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里 1-15-1
電話 042-778-8111(代表)
FAX 042-778-9741
北里大学医学部呼吸器外科学
担当: 佐藤 之俊

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