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特徴的な診療1 低侵襲手術


特徴的な診療

当院の低侵襲治療について

図1-2

当科では患者さまに治療に伴う痛みや出血などを可能な限り少なくするために低侵襲治療を積極的におこなっています。 具体的には内視鏡手術やロボット支援手術、放射線治療なども含めた身体に対する負担が少ない治療のことをいいます。そのため低侵襲治療は回復も早いという特長があります。 当院では、患者さまの身体的負担を軽減し、短期間での退院が可能となるように、低侵襲手術治療に積極的に取り組んでいます。


低浸襲治療(1)腹腔鏡下手術


図1

腹腔鏡手術は、胸部や腹部に小さい穴を数個開け、そこから医療器具を挿入し手術をおこなう術式です。 この術式をおこなうには、体内を映し出すモニターを見ながら、手技をすすめなければならず、高度な技術が必要とされています。 手術に伴う合併症も心配されることから当院独自の技術認定制度が実施されています。

当院で可能な腹腔鏡下手術(保険適応内)
1. 腹腔鏡下根治的腎摘除術
2. 腹腔鏡下腎部分切除術
3. 腹腔鏡下副腎摘除術
4. 腹腔鏡下腎尿管全摘除術
5. 腹腔鏡下膀胱全摘術
6. 腹腔鏡下腎盂形成術
7. 腹腔鏡下前立腺全摘術
8. 腹腔鏡下ドナー腎採取術(腎移植)
9. 腹腔鏡下精索静脈瘤根治術

患者さまの病気やお身体の状態により腹腔鏡下手術の適応がない場合もございます。詳しくは担当の医師にお尋ねください。


低浸襲治療(2)ロボット支援手術


ロボット支援手術

2014年より当院でも手術支援ロボット(ダ・ヴィンチ)を導入しております。 日本では前立腺がんに対してロボット支援前立腺全摘除術が2012年4月より健康保険の対象となっています。 手術適応のある前立腺癌は殆どの症例でこの術式でおこなっております。

ロボット手術の特徴としては
図1 図6

1) 鮮明な3D画像

HDカメラの立体的な視野での手術が可能です

2) 繊細な手技が可能

術野を拡大して切開や縫合が可能です

3) 手振れが少ない

手先の震えなどを鉗子へ伝わらないように調整します

4) 出血が少ない

ロボットに特有な鉗子や電気メスが使用できます

5) 術者の負担も少ない


操作中

以上のようなことから術者への負担が少なくストレスのかからない手術が可能となっています。

また現在は保険適応ではありませんが当院ではロボット支援手術の利点を活用してこれまでは開腹手術がおこなわれていた手術にも適応を広げております。 全額自費診療になりますが以下の手術では初期の5例に関しましては患者さまの同意を得た上で医療費の半額を病院が負担してロボット支援手術をおこなっております。



低浸襲治療(3)放射線治療


各種の泌尿器系悪性腫瘍に対して放射線治療をおこなっておりますが特に前立腺がんに対する根治療法としての放射線治療は、原則的に局所に限局した前立腺癌が対象となります。

前立腺癌に対する放射線治療は大きく分けると前立腺の中から放射線を照射する方法(密封小線源療法)と、前立腺の外から放射線を照射する方法(外照射法)の2つに大きく分けられます。前者の密封小線源療法は、低い線量であるヨウ素125を用いた永久挿入密封小線源療法(LDR)と、高い線量であるイリジウム192を用いた高線量率組織内照射(HDR)に分けられ、外照射法は現在の標準的な方法である3次元原体照射法(3D-CRT)と、更なる高精度治療となる強度変調放射線治療(IMRT)や画像誘導放射線治療(IGRT)、および定位放射線治療(SRT)などがあげられます。北里大学病院では、前立腺がんに対する、上記に紹介させていただいた全ての放射線治療が可能となっております。


低浸襲治療(4)レーザー治療


前立腺肥大症に対する低侵襲外科治療 〜経尿道的前立腺核出術(HoLEP)〜

前立腺肥大症は、高齢男性のほとんどが経験する非常に一般的な疾患にもかかわらず、生活の質(QOL)に直結する大変重要な疾患です。放置すると排尿が出来なくなってしまうこともあります。

当科では初代教授の小柴健先生が、電気メスを用いた経尿道的前立腺切除術(TURP)を導入し、本邦に於ける前立腺肥大症の低侵襲外科治療として確立されました。現在では、その低侵襲治療の理念を更に推進しTURPに代わる低侵襲代替治療としてホルミウムレーザーによる経尿道的前立腺核出術(HoLEP)を導入しています。レーザー光を利用した治療は出血や痛みが少ないため、患者様への負担を少なくします。肥大が大きくなりすぎて、TURPでの治療はリスクが高いと判断される症例においても施行可能な次世代の治療法です。