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「協働を基盤とした高度実践者・教育者育成 平成26年度事業報告会」実施報告
2015年2月28日(土)

平成26年度事業報告会の様子1

2015年2月28日(土)に「協働を基盤とした高度実践者・教育者育成 平成26年度事業報告会」を小田急ホテルセンチュリー相模大野で開催しました。県内の医療機関だけではなく、他県からの参加も多く、総勢114名の参加者でした。

開会の挨拶

海野 信也 北里大学病院長
別府 千恵 北里大学病院看護コラボレーションセンター センター長
北里大学病院 副院長・看護部長

特別講演

講 師:
渋谷 美香 公益社団法人日本看護協会 看護研修学校教育研究部長

「看護師の人材養成における将来展望」

ご自身の看護師の経験や現職で全国を回られ、そこから得られた看護師の現状を踏まえ、看護師のキャリアや将来の展望についてお話しいただきました。新人教育に関するお話では、実際の現場で同じ悩みを抱える看護師の立場にたった内容であり、とても実践的で共感できる状況が多く、参加者一人ひとりが、自分の現状と照らし合わせ、あるべき姿を考えていました。また、将来的な社会情勢と求められる看護職の役割のお話からも、「エンパワーし合う仲間」として看護職が切磋琢磨していくことが大切であると感じ取れました。

  • 平成26年度事業報告会の様子2
  • 平成26年度事業報告会の様子3

事業報告

別府 千恵 北里大学病院看護コラボレーションセンター センター長
北里大学病院 副院長・看護部長

「事業全体・キャリアパス構築」

別府 千恵

この5年間の事業内容の説明と、人事交流、構築したキャリアパスについて説明しました。人材交流では、歴史的な背景はあるものの、規約を作成し、運用するシステムを構築したことで、長期的な計画が立ち、臨床教員という新たな役割を誕生させることができました。コンピテンシー理論をもとに構築した「北里大学病院・北里大学東病院 クリニカルラダーVer.2」の説明では、作成過程においての苦労なども交え、基本的な考え方、構造、内容の一部を紹介しました。
文部科学省の支援事業としては今年度を持って一旦区切りとなりますが、地域看護職の支援をうけながら、さらに発展させることが我々に課せられた使命であると述べました。

中山 栄純 北里大学看護学部

「教育プログラム」

中山 栄純

事業開始時と3年後におこなった研究結果をもとに、「3〜5年目看護職員がキャリアを積み、エンパワーする能力を獲得できる教育プログラムの開発」について説明しました。相対的に自信が持てていないことに着目し、段階的にリーダーシップを育成するプログラムやフィジカルアセスメント力を養い、リーダーシップ行動につなげるシミュレーション教育などの内容を紹介しました。分析途中ですが、平成25年の質的研究では、3〜5年目の看護職員が困難と感じる中、キャリアビジョンを描くために、これらの教育プログラムが一助となっているという結果が得られていると報告しました。

猪又 克子 北里大学病院看護研修・教育センター長

「教育指導者育成」

猪又 克子

完成した教育指導者のキャリアパスに関しては、コンピテンシー、成果責任を説明しました。「プリセプター」「新人教育担当者」「教育担当者(部署)」「実習指導者」それぞれの達成すべき目標についても説明しました。その中で、「プリセプター」「新人教育担当者」については、構築した教育プログラムとその教育効果測定結果についても報告しました。また、教育指導者の育成と人事交流を進める中で誕生した5年間の大きな成果のひとつである「臨床教員」について、期待されている役割と達成すべき目標について報告しました。

平成26年度事業報告会の様子4

アンケート結果では、90%の参加者が満足と答えていました。
特別講演では、「人材を育てるポイントの確認ができた。」「共に働く仲間を大切にし合い支え合える組織を目指したい。」という感想が多く聞かれました。
事業報告会では、地域の方から、「もっと内容を発信してほしい」とご意見をいただきました。今後は、構築してきた教育プログラム、教育指導者の育成プログラム、コンピテンシー理論に基づいたクリニカルラダー・キャリアパスを院内のものとせず、広くスタンダードに使えるものとしていくために、地域の看護職の方々にも実施・評価に参加していただけるように事業を発展させていきたいと考えています。

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