PET/CT 装置
核医学検査は放射性医薬品(微量の放射性同位元素を含む薬)を体内に投与して病気を診断する検査方法です。投与された放射性医薬品の体内分布や量、それらの時間的変化をガンマカメラあるいはPET/CT装置で撮影して診断します。
臓器・組織の機能や代謝の状態や、腫瘍の活動性や広がりの状態を調べることができます。機能や代謝を定量的に調べることができるため、治療方針の決定や治療効果の判定、疾患の予後予測に重要な検査方法です。
![]() SPECT/CT装置 |
![]() SPECT/CT撮影風景 |
X線単純撮影やCTなどの放射線を利用する検査は、体の外側からX線を照射して撮影します。それに対して、核医学検査では体内に投与された放射性医薬品から出る放射線(ガンマ線)を測定し、画像として提供しています。
CTやMRIは、組織の機能検査も行うことができますが、高い精度の形態画像を得ることが主な目的となります。一方、核医学検査は体の細部の構造や形態などを見ることは不得意ですが、臓器・組織の機能や代謝について測定・画像化することができます。
腎動態シンチの結果画像
臓器・組織の機能や代謝を画像化することができるので、病気による形態変化が現れる前に機能・代謝の変化を知ることができます。そのため、他の画像検査よりも、早期に異常を見つけることができます。
他の放射線検査に対して検査時間が比較的長くかかります。検査時間は30分~60分を要します。また、午前と午後の2回に分けて撮影を行う場合もあります。検査の種類によりますが、注射してから撮影まで日をまたぐ場合もあります。
放射能の減衰などの理由で、使用する主な放射性医薬品は検査当日の朝に届けられます。FDG-PET/CT検査の場合は、半減期が非常に短いため1日3回届けられます。放射性医薬品は原則、決められた時間にしか使用できません。
主に悪性腫瘍の病期診断、転移・再発の診断に有用な検査です。CTを同時に撮影して重ね合わせることで、より正確な病気の場所を同定することができます。
![]() PET画像 |
![]() CT画像 |
![]() 融合画像 |
スタッフがお名前の確認・問診を行い、着替え等の準備をしていただきます。 身長・体重・血糖値の測定をします。
![]() 問診風景 |
![]() 身長測定風景 |
PET処置室で検査の説明を行った後、放射性医薬品(18F-FDG)を注射します。注射後は待機室にて、約1時間安静にしていただきます。
![]() PET処置室 |
![]() 待機室 |
先にCT撮影を行い、続けてPET撮影を行います。撮影中は体を動かさないようにご注意ください。撮影時間は20~30分程度です。撮影終了後はクーリング室で30分程待機していただきます。
2回目の撮影を追加する場合があります。
![]() 撮影風景 |
![]() クーリング室 |
心筋の血流状態を調べる検査です。心電図をつけてから、心臓に負荷(運動あるいは薬剤を使用)をかけて撮影し、約3時間後に安静時の撮影を行います。その2つの画像を比較して、狭心症や心筋梗塞などの診断を行います。
全身の骨の病気を描出することができます。がんの転移やその他の骨疾患の診断を行います。
脳の血流状態を調べることができます。アルツハイマー病やレビー小体型認知症などの認知症や、脳血管障害の診断を行います。
スタッフがお名前の確認、問診、検査の説明を行います。
検査説明風景
処置室、あるいは撮影室の装置寝台上で、放射性医薬品を注射します。
注射後すぐに撮影開始する場合と、時間をおいて撮影する場合があります(検査によっては、何日か後に撮影することもあります)。
処置室での注射
装置を体に近づけて撮影します。撮影中は体を動かさないようにしてください。撮影時間は30~60分程度です。
骨シンチの撮影風景