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泌尿器悪性腫瘍の診療

Urologic tumor

MRI-超音波画像融合前立腺標的生検

MRI-超音波画像融合前立腺標的生検は、従来の系統的生検と比べ、より正確にがん病変を診断できるとされています。
従来の前立腺生検は、超音波を観察しながら前立腺全体を均等に穿刺して組織を採取する検査法でした。他方、MRI-超音波画像融合前立腺標的生検は、事前に撮影したMRI画像と術中超音波とを融合することで、がんが疑われる部位をリアルタイムでより明確に可視化した状態で穿刺を行う方法です。それに伴い、超音波ガイド単独以上の高い感度および特異度をもって正確な治療計画の立案が可能となり、また、過剰治療や不必要な再生検を回避することで患者さんの負担軽減に繋がると考えます。
当院では、2022年11月より、Koelis社のTrinityによるMRI-超音波画像融合前立腺標的生検を健康保険診療として実施しています。

(Koelis 社ホームページより)

光線力学診断を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術

筋層非浸潤性膀胱がんは未治療膀胱がん全体の約 70%を占めます。まず経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)による初期治療を行いますが、術後の高い膀胱内再発率(30~70%)が課題とされています。原因のひとつに、従来の白色光では観察困難な小さな病変や平坦病変の見逃しや削り残しが挙げられます。

5-アミノレブリン酸製剤を用いた光線力学診断(photodynamic diagnosis: PDD)をTURBTに併用することで、膀胱がんの検出率が向上し術後の膀胱内再発率が減少することから膀胱癌診療ガイドライン(2019年版)でも推奨されています。

光線力学診断のイメージ図(SBIファーマ HPより引用)

5-アミノレブリン酸製剤を内服してから2~4時間後にTURBTを行います。
主な副作用は、①悪心・嘔吐、②低血圧、③肝機能障害、④光線過敏症です。光線過敏症を防ぐために、内服後48時間は強い光(直射日光、部屋の照明、手術室内の照明など)を避けていただきます。