教授からのご挨拶

1.北里大学病院皮膚科について

北里大学病院皮膚科の年間の外来患者数は約55,000人 (1日平均約200人) 、初診患者数は約6000人です。外来は初診医3~4人と再診医3~4人が診療にあたっています。全ての皮膚疾患を広く網羅する一般外来に加えて、午後は各種専門外来を行っており、円形脱毛症をはじめとする脱毛疾患の病態解明を目指す脱毛外来、特徴的な皮膚病変からの診断と全身的治療を行っている膠原病外来、関節症性乾癬等の難治性の乾癬患者の病態の把握や最新の生物製剤をはじめとした治療法の確立を行っている乾癬外来、分子生物学的に病態を把握する水疱症外来、悪性黒色腫や扁平上皮癌などの皮膚原発腫瘍の治療を形成外科との協力の下で行っている腫瘍外来、脈管肉腫や難治性血管炎の先端治療を行っている脈管外来、豊富な手術経験数を有する手術外来等の専門外来を設置し、それぞれの疾患に対する先進治療の実施と並行して、病態に基づいた診療を常に心がけています。入院患者数は定床が28床で、1日平均25人の多彩な皮膚疾患患者が入院しています。外来も入院も国内の大学病院の中で最大規模です。研修医と病棟医を病棟主任と各専門外来の長が指導し、さらに定期的な教授回診と准教授回診を行い、治療方針を常にチェックし、医療安全を心がけた高度医療の提供に努めています。

2.関連病院との連携について

北里大学の皮膚科学単位は北里大学病院のほか、神奈川県と東京都を中心に常勤医師を派遣している関連病院と連携をとりながら診療、教育、研究に全力で取り組んでいます。北里大学医学部皮膚科を研修基幹施設として,聖路加国際病院、横浜労災病院、東京都健康長寿医療センター、国立病院機構横浜医療センター,大和市立病院、座間総合病院、海老名総合病院、武蔵村山病院、北里研究所病院,北里メディカルセンター、綾瀬厚生病院などの関連病院と密に連携し、高度医療の提供を行っています。

3.研修医の先生方へ

北里大学病院は、特定機能病院として高度先端医療の一角を担うと同時に、学生・研修医の教育病院でもあります。また、神奈川県相模原市(政令指定都市)や東京都町田市を中心とし、近隣の横浜市北部、海老名市、厚木市、座間市、大和市、綾瀬市などの200万人以上の住民の地域中核病院としての医療を提供しています。そのため、外来も入院も国内の大学病院皮膚科の中で最大規模であり、豊富な症例を経験することができます。2014年に開院した北里大学新病院は国内最先端の医療機器を備えた機能性と美しさを兼ね備えた素晴らしい病院であり、充実した研修期間を過ごすことができます。当科では、研修に集中できるよう、大学病院や関連病院での常勤医師としての安定した勤務、給与体制での採用を行っています。北里大学病院皮膚科で一緒に働く先生方には、しっかりとした研修を積み、専門医を取得してもらうことができる体制が整っています。希望者には学位取得や留学の機会もあります。指導にあたる上級医師も教育にとても熱心で、教室の雰囲気も明るく、やりがいのある職場づくりに努めています。北里大学病院は最寄りの相模大野駅から新宿や横浜まで約30~40分と近く、羽田空港へのアクセスも良いので国内外の学会へ出かけやすく、勉強や人生経験の機会がたくさんあります。また、関連病院も東京都や神奈川県内に多いので、充実した研修期間を過ごせます。皮膚科学の楽しさは皮膚科疾患のみならず、様々な全身疾患を自分で診察、検査を行い、自分で採取した組織検体を通して診断に至るという責任感のある一貫した診療にあると思います。やる気のある皮膚科志望の先生方が見学に来られるのを楽しみにしています。

北里大学医学部皮膚科学
主任教授 天羽康之