色々な事を気付かせてくれた頭痛日記
「なぜこんなに先の見えない苦しみを抱えて生きなくてはならないのだろうか随分考えたこともありました。私なりの頭痛との関わり方など認めさせて頂ければと思いペンを取りました。」
もぐら
私が片頭痛に本格的に苦しみ出したのは33年程前からですが、5-6歳の頃から頭痛を訴え、あちこちの病院に連れて行かれた記憶があります。「風邪でしょう、たいした事はありません。おじょうちゃんそんなに痛いの?」というDrの言葉をよく覚えています。そしてあの注射は何だったのか…?お尻に1本ブスリと打ってもらいました。また面白いことにその頃カルピスを飲むと必ず頭が痛みました。映画やデパートに出掛けてもやはり痛み出したことを覚えています。 そして33年前から毎日のように辛い苦しいと思うようになりました。きっかけは交通事故。赤信号で停止中、居眠り運転のトラックに追突され、そのまま半年入院。入院中もひどく頭痛に悩まされ、自分では事故の後遺症と思い込み、ずっと整形外科の治療を受けていました。背中や腰の痛みは緩和されたが、頭の痛みだけはあらゆる事をしてみたがやはり思わしくなく、内科に行ってもなかなか理解してもらえない。それでも「いつまでもこんな状態ではいけない。もっと人間らしく生活しないと周りの人達までも巻き込んで不甲斐ない思いをさせてしまう。」と自分自信に言い聞かせ、前向きに明るく生きようと必死で生活していました。
そんな山坂を越え、努めた一つ目の事は苦しみのどん底(痛みのピークにある時)以外、その時関わらなくてはならない人間関係は笑顔で迎えようという事。見えないところで呷るように薬を飲み、効いてくるのを祈るような気持ちで待ちながら、その方の元気パワーと自分との精神的・体力的なギャップを埋めようとする私自身の「内なる力」で少しでも早く痛みから立ち直るのを信じた。自分には厳しくありたい。精神的に強くなろう。自分は特別な人間ではなく、ごく普通でいたい、そんな思いが自分を支えていたかもしれません。 二つ目は自分の体調の都合で子供の幼稚園を休ませたり、車で送り迎えはしないという事。道中で何十回気持ちが悪くなった事か、バッグの中には薬とビニール袋は欠かせなかった。 そして三つ目、お弁当作りは決して休まない。14年間1度も休むことなく作りつづけることが出来た。一つ一つクリアしていく達成感によって自分の気持ちを他に持っていけるようになったと思える。家族にはどうしてもの時だけお願いした。後はそっとしておいてくれる方が楽だったし、今でもそれは変わらない。 |
年齢が増すにつれ、今までのようにいかず、めげてしまう事もあれば家族に迷惑を掛けることもあるが、対外的には出来るだけ甘えることのないようにしています。 頭痛の発作は夜中に多く、頭痛で目が覚める事で寝るのが怖くなった。床に入っても眠れない。今では先生の処方で4.5〜5時間ぐらいは眠ることが出来ます。頭痛の前ぶれも、私の場合は1度に色々な症状が押し寄せることが多い。生あくび、目頭や眼球の痛み(目を開けていられない状態になる)、頭から鎧を着せられたようにズシリと体が重くなり、ひどく肩がこる。肩から首筋、頭にかけて体の左側がまるで血管が引き千切れそうにズキズキと痛む。そして吐き気、嘔吐、左側手足のしびれである。気圧の変化にとても敏感になる。さして重くない荷物でも持ち歩くと100%といって良いほど頭痛が起こる。少しオーバーに表現すると、ハンドバッグも持ちたくない。こんな状態が3-4日続き、やっと解放されたのも束の間、また同じ事が繰り返されるのだ。
しかし坂井Drに出会って適切な診断と処方を受けてからは、アドバイスを頂きながらその時々に自分で薬の飲み方を工夫し、頭痛や諸症状を軽減する事が出来る様になりました。あの頭痛を自らコントロール出来るなんて夢のようでした。これもみな坂井Drのお蔭と日々感謝しています。 そして忘れてはならない物、それは頭痛日記。それがどれだけ私に色々な事を気付かせてくれたことか。私にとって日記は宝物です。これからも年齢に応じた目的を持ち、張りのある人生を送りながら、少しでも上手く頭痛と付き合うことが出来ればと願っています。特に仕事を持たれている方、これから入社を控えている若い方々、頭痛を抱えてプレッシャーを感じながらのスタート、不安を心にいっぱい秘めてさぞかし大変な事とお察し申し上げます。しかし仲間はたくさんいます。希望を持って共に歩めたら幸いです。 最後に諸先生方、そして関係者の方々に心より感謝申し上げます。 |
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