特定行為研修センターを開設しました

当院は、2020年2月26日、特定行為研修指定研修機関(指定研修機関番号2014009)に指定されました。
4月に誕生した北里大学病院西館4階の特定行為研修センターにおいて一期研修生コースを開講します。

特定行為に係る看護師の研修制度とは
2025年に向けて、さらなる在宅医療等の推進を図っていくためには、個別に熟練した看護師のみでは足りず、医師又は歯科医師の判断を待たず手順書により、一定の診療の補助(例えば脱水時の点滴:脱水の程度の判断と輸液による補正等)を行う看護師を養成し確保していく必要があります。このため、その行為を特定し手順書によりそれを実施する場合の研修制度を創設し、その内容を標準化することにより、今後の在宅医療等を支えていく看護師を計画的に養成していくことが本制度創設の目的です。
特定行為は、診療の補助であり、看護師が手順書により行う場合には、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる38行為です。特定行為区分は、特定行為の区分であって、21区分が指定されています。
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077077.html

当院の特定行為研修

当院の理念である「患者中心の医療」「共に創り出す医療」をふまえ、チーム医療のキーパーソンとして、包括的なアセスメント力と先を見据えた判断力・実践力を兼ね備えた看護職の育成を目指しています。

2020年度の開講区分は、6区分です。

  • 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連(必修)
  • 血糖コントロールに係る薬剤投与関連(必修)
  • 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連(選択)
  • 創部ドレーン管理関連(選択)
  • 動脈血ガス分析関連(選択)
  • 循環動態に係る薬剤投与関連(選択)

これらの開講区分は、特定機能病院、大学病院として当院が担う役割・使命、そして、医療職のタスク・シフティング/タスク・シェアリングなどさまざまな観点から検討しました。また、地域の医療ニーズや高度医療機関で提供される医療の特性をふまえ、ジェネラリストとして病状の変化に柔軟かつ円滑に対応できる力を養うことを目的に、「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」、「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」を必修区分として設定しました。

1期生、始動!

4月6日に入講式を執り行い、総勢19名の研修生を迎え入れました。(北里大学病院18名、北里大学メディカルセンター1名)今年度は、学校法人北里研究所職員を募集対象としましたが、次年度以降は地域に向けて募集を拡大する予定です。
受講資格は、臨床経験3年目以上、かつ法人内クリニカルラダーレベルⅡ以上を取得した看護師と定め、1月に入講試験を行いました。合格者19名は、経験豊かで意欲的なメンバーがそろっています。

勤務を継続しながら受講する形です。講義(e-leaning)を受講し、演習、実習へと1年間かけて研修は進んでいきます。

  • 年度前半で履修する共通科目
    臨床病態生理学、臨床推論、フィジカルアセスメント、臨床薬理学、疾病・臨床病態概論、医療安全学/特定行為実践の6科目。
    特定行為を実践するために必要な医学的知識および実践的な理解力、思考力、判断力を養う。
  • 年度後半で履修する区分別科目
    各行為に必要なより実践的な知識・技術を身につける。

自己学習時間は20時間/週にも及ぶことがあるハードな研修ではありますが、これまで臨床現場の最前線で活躍してきた研修生です。研修を通して一人一人が、経験知を理論知へと深化させていくことを願います。

修了生が現場の医療・看護に革新的な変化をもたらしてくれることを期待しています。

看護職運営メンバー

看護職運営メンバー:診療看護師(NP)2名、特定看護師1名、看護部・研修統括部副部長1名

2020.04.13

ページの先頭