第17回北里看護研究会開催報告
「見つめよう今、高め応えよう“看護のこれから”」

第17回北里看護研究会の様子

第17回北里看護研究会が、北里大学相模原キャンパスにおいて2017年12月9日に開催されました。学校法人北里研究所関連施設、神奈川県近隣の医療・福祉施設の医療関係者を中心に約400名が参加しました。当院からも多くの看護職員が口演・示説で発表を行いました。

教育講演

今を見つめ直し未来を語る“看護のアジェンダ”

教育講演の様子
講師:
井部 俊子(井部看護管理研究所/聖路加国際大学名誉教授)
座長:
堀 良子(北里大学看護学部 教授)

これまでの看護管理者、教育者としての経験を活かし看護分野の多くの講演活動をしている井部氏を迎え、我が国における看護のこれまでとこれからについてお話いただきました。井部氏は、今までの日本人は「教育→仕事→引退」と決められた3つのステージで人生を終えていたが、これからは長寿化に伴い、長く「仕事」をするための選択肢が多い新しいステージが必要になると述べています。また、テクノロジーは雇用に大きな影響を及ぼしているが、看護に必要な「複雑な問題解決にかかわる能力および対人関係と状況適応能力」は人間しか発揮できない力であると述べられ、参加した看護職に激励を与えました。

シンポジウム

今取り組むべきこと ~地域包括ケアシステム推進に向けて~

シンポジウムの様子

地域包括ケア病棟開設に伴う北里大学北里研究所病院の取り組み

シンポジスト:
西澤 貴子(北里大学北里研究所病院 地域包括ケア病棟師長兼副部長)

訪問看護師の立場から、みて、感じて、考える事

シンポジスト:
臼井 豊子(社会医療法人社団 正志会 南町田訪問看護ステーション ペンギン 所長 訪問看護認定看護師)

目指すべき方向を共有した統合されたケアを実現するために

シンポジスト:
大谷 玲子(北里大学東病院 地域看護専門看護師)

病院の社会福祉士(SW)の立場から

シンポジスト:
上條 真子(北里大学病院 TSCソーシャルワーク室 課長 社会福祉士(SW))

地域包括ケア 何が必要なのか

シンポジスト:
小野沢 滋(みその生活支援クリニック 院長)
座長:
坂下 智珠子(北里大学病院 TSC師長)
森谷 栄子(北里大学看護学部 看護システム学 講師)

超高齢社会の今、地域包括ケアシステムの推進は非常に大きな問題です。各シンポジストよりそれぞれの施設での取り組みや課題の報告が行われました。これからの地域包括ケアは、命を最優先するのではなく、その人の生活や価値観を支えるために医療や介護がある、という考えが根底に必要です。患者さんがスムーズに医療支援を受けられるシステム作りの重要性を再認識し「求められる」医療や介護とは何かを参加者それぞれが考えるきっかけとなりました。

パネルディスカッション

今取り組むべきこと ~看護の専門性を高めるために~

パネルディスカッションの様子

入院した認知症者の尊厳が守られる看護の探求

演者:
行俊 可愛(北里大学東病院 N2病棟主任 認知症看護認定看護師)

臨床教員の活動を通して

演者:
栗城 絵美(北里大学病院 8W病棟主任 臨床教員)

看護の専門性を高めるために、看護基礎教育において今取り組むべきこと

演者:
小山 幸代(北里大学看護学部 生涯発達看護学 教授)

看護管理者の立場から

演者:
谷口 陽子(北里大学病院 副部長 看護研修・教育センター長)
座長:
青柳 明子(北里大学メディカルセンター 看護部長)

看護の専門性を高めるために取り組むべきことについて、それぞれの立場から取り組むべき課題についての発表後、ディスカッションを行い、活発な意見交換がなされました。特に臨床教員である栗城氏の、臨床教員の強みを活かした臨地実習に関する取り組みには、大きな関心が寄せられていました。

口演・示説

  • 口演・示説の様子1
  • 口演・示説の様子2

口演23演題、示説10演題の発表がありました。うち、北里大学病院からの発表は口演17演題、示説6演題、北里大学東病院からの発表は口演4演題、示説1演題でした。

2018.02.01

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