2015 JICA看護管理(アジア・大洋州地域)プログラムの研修生を受け入れて

本研修は、公益財団法人 国際看護交流協会-THE INTRENATIONAL NURSINGFOUNDATION OF JAPAN(INFJ)が、独立行政法人国際協力機構- JAPAN INTRENATIONAL COOPERATION AGENCY(JICA)により受託実施している研修事業で毎年開催されています。

主な目的は、日本の臨床における看護管理、看護サービスの現状、マネジメントを学ぶ機会をアジア・大洋州地域の医療機関(看護部門)に提供することであり、研修生は約8週間、日本に滞在しながら、さまざまな教育プログラムを受講します。

今回、北里大学病院は2日間のプログラムを担当しました。その1日目の様子について紹介します。

テーマ:
「現任教育における院内教育策定の方法」
参加国:
バングラディッシュ、フィジー、インドネシア、ラオス、ミクロネシア、モンゴル、ミャンマー、サモア、パラオ
研修生:
12名
集合写真

KITASATO研修プログラム

講義

北里大学病院看護研修・教育センター長
担当講師:
北里大学病院看護研修・教育センター長

看護継続教育の概要や、北里大学病院の取り組みを紹介しました。
組織が求める人材と現状について評価したうえで、教育計画を立案し教育効果の測定を行う大切さと、その取り組みは組織の成果につながることなどについて説明しました。

  • 日本における継続教育の現状
  • 「継続教育の基準 Ver.2」(組織運営・学習資源・教育活動)より教育計画の立案について
  • 人が育つ職場とは、学びあう関係
  • 北里大学病院における教育の紹介
    Patricia Benner看護理論を用いたクリニカルラダーの紹介、教育効果測定について
  • 成人学習者の特徴
    経験学習理論

グループワーク

  • グループワークの様子1
  • グループワークの様子2
ファシリテーター:
北里大学病院看護研修・教育センター長、同看護師長

自国に持ち帰りすぐに活用できることを視野にいれ1年間の教育計画を立てるというテーマで、2グループにわかれてワークを行いました。

グループワークの様子3

グループワークの発表

  • 看護師ライセンスに伴う雇用形態やライセンスの更新制度に伴う必須教育プログラムなど国により事情は異なるが、それらを考慮したステップアップのプログラムやリスクマネージメント、倫理などについて年間教育計画を作成した。
    例えば、BLS、ACLS、PALSなどを計画に取り入れる。
  • レベルⅠ(新人)を対象としたプログラムを作成した。看護ケアプロセス、ジェネラル全般を学ぶために、コミュニケーションスキルと看護過程の展開、患者さんの安全管理などの項目をプログラムし、それぞれにフォローアップと評価を行う。

ミニ個別レクチャー・院内施設見学

  • ミニ個別レクチャー・院内施設見学の様子1
  • ミニ個別レクチャー・院内施設見学の様子2

研修生は、自国や施設ごとの課題に沿い、個別に質問や見学希望を出されました。その領域は、医療廃棄物の取り扱いや機材の消毒、保管など幅広い内容でした。当院の取り組みに対しては、高い関心を示されました。
また、新病院の感想は日本語で「キレイデスネ。ホテルミタイデスネ。」と話されました。

2日目のプログラムは、JICA研修センターに会場を移し、本日立案した教育計画のうち一項目を選び、教育効果測定も含めた教育プログラムの作成が予定されています。

今回、研修生の皆さんにとってKITASATO研修プログラムで経験した学びが、自国での実践に繋がることを願っています。
また、私たちも様々な国の事情を知る機会を与えていただき感謝しています。
海をまたぎますが、共に看護師として「看護教育」に貢献できるとうれしく思います。

2015.11.27

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