東北地方太平洋沖地震 医療チーム活動報告

東北地方太平洋沖地震 医療チーム活動報告

北里大学病院・東病院では、岩手県大船渡市災害医療支援として4グループ(3月19日~3月27日)の医療チームを派遣しました。

今回、私たち先発グループ(3月20日、21日:現地)の現地活動を報告します。医療チームは、医師3名、看護師2名、薬剤師1名、事務職員1名で構成され、医師は、救命救急医、小児科医、精神科医の3名、看護師は、集中ケア認定看護師、JAICA登録看護師の2名でした。

多くの医療従事者が、被災者の方々に何か支援をしたいという気持ちを持っていると思います。私たち先発グループは、それら医療従事者の思いを踏まえ現地へ臨み、また以後の災害医療支援が円滑に進むよう基盤を作ることを重点に置きました。

主な医療活動

  • 「現地活動拠点の立ち上げ、北里大学病院チームによる臨時診療所の開設」
  • 「現地医療機関ならびに他施設派遣チームとの診療連携作り」

具体的には、大船渡市職員や他の医療機関からの派遣チームと分担して複数の避難所を廻り、臨時診療所を開設し、現地医療機関の患者受け入れ体制ならびに医療支援体制にむけた情報収集などを行いました。

看護師は、現地の情報が少ない中で、外傷、感染、内科疾患の急性増悪、急性発症などのあらゆるケースに迅速に対応できるよう、診療セットの作成や医療材料の選択など診療の準備を整え、また重症疾患への対応について医師と予め打ち合わせを行い行動しました。

臨時診療所では、主に診察、与薬が行われました。患者の多くが津波による被災者であるため高血圧や狭心症、糖尿病、喘息などの既往で内服治療をされていた方が、薬を失い内服できない状態になっていました。私たちは、内服の中断による症状の増悪やその兆候を見逃すことがないよう、培ってきた経験や知識をフルに活用して問診に当たり、バイタルサインの測定や状態の確認を行いました。また、避難所生活や震災による精神的負担から、不眠や強い不安感などの症状を自覚しながらもそれを口に出すことができない患者も多く見られました。私たちから積極的に声かけを行い、精神科医へのコンサルテーションにつなげました。

先発グループは、現地における2日間の活動や課題について引き継ぎを行い、現地での活動を終了しました。

(集中ケア認定看護師 齊藤耕平)

当院では震災直後にDMAT(災害派遣医療チーム)が、数回に渡り出動し羽田空港で広域搬送された傷病者のトリアージ、宮城県内の医療施設支援活動を実施いたしました。看護師のDMAT隊員4名が交替で出動しました。

本震災で被災された方、ご家族の皆様に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げますと共に、今後も「北里大学病院の私たち看護師は、何をおこなえるのか」を考え実践していきたいと思います。

2011.03.31

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