精神看護専門看護師3名とがん看護専門看護師3名による院内看護職員を対象とした研修を2017年12月8日に開催し18名の参加がありました。
本研修は、国内の精神看護専門看護師が集い、看護独自のコミュニケーション技術普及を目指し開催してきたセミナーを基にプログラムを構成しています。
研修の概要
目的
看護師が患者と自然かつ治療的なコミュニケーションができるようになる。
プログラム
自然かつ治療的なコミュニケーションとは
患者のもつ自然治癒力を支援するようなコミュニケーションである。自然な会話、つまり患者から投げられた言葉に対して、看護師はそれを受け止め投げ返すという言葉のキャッチボールを続けるようなプロセスと考えます。
治療的な因子には、①孤独感の低減 ②現実的な問題の明確化が自然に行える ③自己洞察が図れる ④不合理な怒りが鎮静化する ⑤精神的に安定する、安心するがあると言われています。
講義
臨床看護のためのコミュニケーション概論
患者と看護師の間で自然なコミュニケーションができることにより、患者・家族がその人らしくストレスを乗り越えられる支援につながることを確認しました。コミュニケーションにおける基本は、①正確に聞く ②理解し、消化する ③対応する、の3つであり、この基本には「共感」が一番必要となるが、最も難しいことであることを学びました。また、コミュニケーション上で生じる看護師の感情についても着目し、看護師自身が自分の気持ちに気づく必要性を知りました。
ロールプレイとグループワーク
ロールプレイ
参加者は、患者役と看護師役、観察役になり、ロールプレイは役割を交替して繰り返し行いました。また、あらかじめ決められたセリフ通りに演じる“会話シナリオを用いたロールプレイ”と、事例背景と最初の一言だけが決まっている“模擬事例に基づくロールプレイ”を行いました。患者役と看護師役は会話のキャッチボールをつなげられるよう必死に取り組みました。
グループワーク
ロールプレイ後には毎事例グループワークを実施し、それぞれの役割を演じたうえで感じたことや考えたことを共有しました。講義で学んだコミュニケーションの3つの基本を基に、実際の会話にどのように繋げられるのかという点についてディスカッションを行い、次のロールプレイに活かしていきました。グループワークでは、ロールプレイを行ってみて初めて知る看護師自身の感情や自己のコミュニケーションの傾向についても語り合い、自分自身を振り返り見つめ直す貴重な機会となりました。
研修の感想
2018.03.28