北里大学病院臨床検査部・輸血部は、2017年12月に国際規格であるISO 15189の認定を取得致しました(認定番号RML01430)。なお、2024年より病院病理部にも適応範囲を拡大しています。
1. ISO 15189について
ISO 15189とはISO/IEC 17025およびISO 9001に基づいて、国際標準化機構(International Organization for Standardization: ISO)によって設定された「臨床検査室の品質と能力に関する要求事項」に関する国際規格です。
2. 要求される事項について
要求される事項は大きく二分されます。管理上の要求事項としては、顧客ニーズへの対応、内部監査やリスクマネジメントなどのマネジメントシステムを対象としたものがあり、検査室を運営するための各種手順書などの文書管理や様々な場面で記録した記録管理も含まれます。その他、臨床検査に携わる要員の技術水準の維持向上や教育に関わること、検査に用いる機器や試薬・消耗品の厳密な管理を行うこと、検査環境に関わる要求事項などが規定されています。
3. 認定取得の意義について
国際標準の臨床検査室の証であり、検査室の技術水準と検査精度が国際レベルであることを客観的に示したもので、臨床検査データ(検査結果)の品質保証を担保するものとなります。
4. 得られる効果について
- 信頼性および品質の向上
ISO 15189に認定されたことで、臨床検査室が高い品質と技術的能力を持っていることが客観的に証明されます。 - 患者満足度の向上
正確で迅速な検査結果は、適切な治療の迅速な提供につながり患者の満足を高めます。 - 国際的な評価
ISO 15189は国際基準であるため、認定を受けることで病院の国際的な評価が向上します。 - 業務効率の改善
ISO 15189の認定プロセスでは文書管理や品質管理、プロセスの標準化が求められています。これにより検査室の業務が効率的になり、ヒューマンエラーの減少や作業の一貫性が保たれるようになります。 - リスク管理の強化
ISO 15189では、リスクマネジメントや継続的な改善が求められており、検査業務におけるリスクの予測や予防措置が強化されます。
臨床検査部では、ISO 15189認定取得により検査サービスが向上し、継続的な改善を行う文化が醸成され浸透しています。これからも北里大学病院の理念である「患者中心の医療」、「共に創り出す医療」を基調として、医療安全ならびに精度保証に基づく検査サービスを提供してまいります。
北里大学病院 臨床検査部 品質管理主体(代表)
土筆 智晶