小児外科 科長 田中 潔
「小児は成人のミニチュアではない」とよく言われます。子どもは身体、精神とも発達過程にあり体格、生理機能も大人とは全く異なります。また、小児外科疾患の多くは小児特有の疾患です。さらに、その治療は患児のその後の数十年にわたるQuality of lifeを考慮したものでなくてはなりません。そこで、子どもの手術は小児外科医が担当します。“子どもの手術”というだけで不安が強いと思いますお子様・ご家族が安心して治療を受けられるよう努力してまいります。
新生児から15歳までの子どもの病気を扱っている外科です。「小児は成人のミニチュアではない」といわれる通り、子どもは身体、精神とも発達過程にあり体格、生理機能も大人とは全く異なります。小児外科疾患の多くは小児特有の疾患であり、小児外科特有の診断、治療を行います。さらに、その治療は患児のその後の数十年にわたるQOLを考慮したものでなくてはなりません。 そこで小児の特性を熟知した小児外科医が診療に当たります。北里大学病院小児外科は、相模原市を中心とした約100万人の医療圏において小児外科医が専従している唯一の施設として、すべての小児外科疾患に対応しています。救急疾患、日常的疾患の診療はもちろんのこと、最先端の治療を尽くし個々の子どもにとって最善の治療法を選択し、子どもにやさしい外科をモットーに努力を続けています。新生児集中治療室(NICU)、小児集中治療室(PICU)を保有し、他科の診療部門と密に連携し診療にあたる日本小児外科学会認定施設でもあります。 手術は、鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、停留精巣等の一般小児外科疾患や、肥厚性幽門狭窄症、急性虫垂炎・腸重積・絞扼性イレウスなどの急性腹症、胃食道逆流症に対する噴門形成術、胆道閉鎖症・先天性胆道拡張症など膵肝胆道系疾患、頭頚部疾患(正中頸嚢胞、等)の手術、漏斗胸に対するNuss手術、ヒルシュスプルング病根治手術、直腸肛門奇形(鎖肛)手術、肺疾患の手術、ほか新生児に関わる緊急手術を行っていますが、必要に応じて鏡視下手術を取り入れています。開腹手術、鏡視下手術においても、安全性・確実性を担保した上で低侵襲・創部が目立たないアプローチを目指しており、例えば消化管疾患では臍部弧状切開による開腹術を行っています。 手術ではない症例に関しても、例えば高度便秘や肛門周囲膿瘍等、外来での継続治療もご相談いただき適切な治療を行っています。 出生前診断された疾患に関しても、私たち小児外科医が出生前から関わり、安心して出生できるように準備を整えることもしています。このように私たちが最も大切にしているのは、子どもの将来のQuality of Lifeであり、それを見据えた治療や観察を継続しています。
臍部弧状切開術後創
その他、さまざまな症例に合わせたより良い治療・手術方法を選択いたします。
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | |
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入院 | 387 | 390 | 362 | 355 | 344 |
手術 | 301 | 335 | 314 | 328 | 289 |
新生児手術 | 20 | 31 | 22 | 27 | 27 |
内視鏡手術 | 41 | 38 | 43 | 34 | 34 |