耳鼻咽喉科・頭頸部外科
otorhinolaryngology・Head and Neck Surgery
北里大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科では、腫瘤などの器質的疾患、難聴などの機能的な疾患を取り扱っています。こどもにおける聴覚、言語、嚥下、呼吸の障害は成長発達にとって重要な問題になります。診療は長期に渡ることもありますが、こども達の成長がより良い方向に向けるよう診察、治療を行っています。
小児系診療部門 耳鼻咽喉科・頭頸部外科について
耳鼻咽喉科・頭頸部外科とは、鎖骨から上の脳、眼球、脊椎を除いた臓器機能すべてが対象となります。具体的には耳科、聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚、音声、構音、咀嚼、嚥下、呼吸、顔面神経、アレルギーなど様々な重要機能・疾患に対する診療から、舌・口腔、咽頭、喉頭、耳、鼻・副鼻腔、甲状腺、唾液腺に対する診療を含みます。これら広範囲の疾患に対して、良質・安全な標準的医療を提供できかつ高度先進的な専門治療を実現するために、北里大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科では「頭頸部腫瘍」、「難聴・補聴器」、「めまい・平衡」、「鼻副鼻腔」、「喉頭」、「小児耳鼻」の各グループに細分化し、より専門性の高い診断、治療を提供すると共に、新たな診断方法や治療法の開発を目指しています。
周産母子成育センターでは、小児耳鼻、難聴グループを中心に診療を行なっています。小児特有の先天性疾患もありますが、成人と同じ名前の疾患であっても成長発達過程のこどもにおいては疾患により生じる弊害は成人のものとは異なることが多くあります。こどもの成長にとって、難聴などの早期発見は非常に重要です。保護者の方は、不安な気持ちで受診を迷われることもあるかと思いますが、ぜひ受診いただくようお願いいたします。
主に取り扱っている疾患
- 難聴、言語発達、構音障害
新生児聴覚スクリーニングで再検査が必要となった赤ちゃんは、精密聴力検査機関を行うことになります。検査の結果、「聴こえ」に関するサポートが必要な場合には外来にて小児難聴専門の医師・言語聴覚士が対応いたします。補聴器装用によるサポートや人工内耳手術による治療も行なっております。
- 中耳炎
鼓膜の奥に滲出液が溜まってしまう滲出性中耳炎や急性中耳炎を繰り返す反復性中耳炎に対して、鼓膜チューブ留置術を行います。2泊3日での入院です。
- 真珠腫性中耳炎
鼓膜の奥に真珠腫という塊ができ感染や難聴の原因になります。鼓室形成術、乳突洞削開術により真珠腫の除去、聴力再建を行います。7〜10日間の入院です。
- 閉塞性睡眠時無呼吸症(アデノイド増殖症、口蓋扁桃肥大)
睡眠時のいびき、無呼吸に対してアデノイド切除術、口蓋扁桃摘出術を行います。6泊7日の入院です。
- 先天性耳瘻孔
主に耳介の手前に穴があり感染をきたす場合に摘出術を行います。2泊3日での入院です。
- 先天性頸部嚢胞性疾患(正中頸部嚢胞、側頸嚢胞)
先天性に頸部に残存した嚢胞や瘻管構造の摘出を行います。1週間程度の入院です。
- 上気道狭窄、喉頭軟弱症
生まれつき上気道(口から気管の入り口まで)に空気の通りを邪魔するできものなどがある場合や、喉頭が柔らかく呼吸をするたびに潰れて呼吸がうまくできない(喉頭軟弱症)場合に手術や気道管理の道具を使用し呼吸状態を改善させます。
- 気管切開術、術後管理
上記の上気道狭窄の改善のためや長期的な人工呼吸器管理が必要な患者様に対して、気管切開術を行います。気管切開術とは、皮膚と気管に窓を開けて気管から頸部に作成した窓を通して呼吸ができるようにする手術です。手術後には、気管切開チューブを挿入し管理します。長期的な管理が必要になる場合が多いため、定期的な診察やご家族への気管切開管理指導を行なっています。
- 嚥下障害
飲み物や食べ物がうまく飲み込めない状態が嚥下障害ですが、特に食道ではなく気管に食べ物や飲み物が流れていってしまう場合を誤嚥といいます。誤嚥を繰り返すと肺炎などをなり、呼吸状態の悪化をきたします。耳鼻咽喉科では鼻から内視鏡を挿入し、嚥下時ののどの状態を観察することで嚥下の状態や誤嚥の有無の診断を行います。