北里大学病院における前立腺がんの治療について       放射線治療へリンク
検査 会陰部からのテンプレートガイドによる前立腺がん検査:再生検法について
  ●前立腺がんの診断方法として、直腸から針を刺入して組織を採取する検査(生検)は、確立された方法であり、当院においても行っております。しかし初回の生検において、がんを見逃してしまう可能性は大きな問題であり、それを改善すべく様々な検査方法が検討されております。
●当院におきましては、これまでの手術標本の検討から、早期前立腺がんの多くは前立腺の先端側(尖部)の前方(腹側)から発生していることを確認しております。この部分をより効率よく採取するために、股の間(会陰部)からテンプレートと呼ばれる針の位置目安となる固定具を用いて生検を行っております。この結果、過去に1回以上、直腸からの生検で前立腺がんが無いと診断され、依然がんの可能性が高い方の22.7%において前立腺がんが発見されております。
●当検査につきましては、現在北里大学東病院で施行しております。
  
放射線治療 ヨード125線源の永久留置による密封小線源療法
  ●2004年5月より、当院において前立腺がんに対する永久留置による密封小線源療法を開始しております。これは前立腺がんの放射線による治療法の一つとして、1990年頃からアメリカを中心に行われており、現在では年間4万人がこの治療を受けるまでとなり、その安全性と有効性が確認されております。
●具体的には、ヨード(I-125)という長さ5ミリ程度の小さな放射線の線源を前立腺の組織内に挿入する方法で、外科的手術と比較して体に対する負担がすくなく、治療後の尿失禁や、男性機能不全等についての障害が少ない利点があります。
●その適応として、当院ではローリスク群とよばれる早期前立腺がんを主に対象としております。詳しくは専門外来にて御説明いたしております。
高線量率イリジウム(Ir-192)線源による密封小線源療法
  ●1999年6月より、当院における前立腺がんに対する放射線治療として、高線量率(HDR:high-dose-rate)イリジウム(Ir-192)線源による密封小線源療法を行っております。
●具体的には、アプリケーター針という中空の針を、会陰部と呼ばれる股の間から挿入し、その中にイリジウム線源を通して、組織内照射を行うものです。当院ではこの治療法に加えて、さらに3次元原体照射を併用して、その治療効果を高める取り組みを行っております。
●適応として、前立腺がんが、前立腺被膜から超えてしまっているような方や、PSAが20ng/ml以上といった、ハイリスク群と呼ばれる方を原則として行っておりますが、その詳しい内容につきましては、専門外来にて一度御相談ください。
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