角膜屈折矯正班

屈折矯正外来毎週火曜

当院における屈折矯正手術の歩み

当院では90年代より国内にていち早くPRK、LASIKを施行。現在に至るまで積極的に手術治療を行っています。LASIKおよびICL手術をうけ、15年以上経過した患者様もフォローしています。長期的におこりうる合併症につきましても引き続き対処いたします。

現在当院で行っている屈折矯正手術

ICL (Implantable Contact Lens:眼内コンタクトレンズ)

当院では2003年より国内にてICLの臨床治験を施行。その結果をもとに、2010年2月厚労省の認可承認となりました。ICLの臨床成績が非常に良好な一方で、残された欠点を改善すべく2007年よりSTAAR社協力のもと新たな改良タイプのICL開発を行いました。基礎的実験、動物実験、臨床治験を経て、2011年 ICL V4c (KS-AP)として欧州のCEマーク(医療機器等に対してEU加盟国の所定の基準を満たすものに付けられるマークで、信頼の証となるもの)を取得、2014年3月には厚労省の認可承認を取得するに至り、「より患者様にも術者にもやさしいICL」の誕生となりました。眼内に移植されたICLは細隙灯顕微鏡(眼科診察用顕微鏡)にて薄い影のようにしかみえず肉眼ではまったくわかりません

ICL

ICLの特徴
  • ・幅広い手術適応
    LASIKなどでは手術不可能な強度近視や角膜が薄い人、近年では中等度円錐角膜にも優れた矯正効果をもたらします。
  • ・優れた術後視機能
    目の中にレンズを移植する手術のため、LASIKと異なり角膜に負担がかからず、LASIKと比べ見え方の質が良好です。
  • ・長期の安定性
    LASIKではregressionとよばれる近視のリバウンドがみられますが、ICLではほとんど術後近視のリバウンドはなく長期的に安定しています。
  • ・可逆性
    一度移植したレンズは手術にて取り出すことも可能です。
  • ・痛みの少ない短時間手術
    手術は目薬の麻酔のみで、片眼10~15分で終了します。当院では日帰りにて両眼同日手術を行っております。
穴あきICL(V4c , V5 : KS-AP)の特徴

従来のICL中央に0.36mmの小さな穴をあけることで、虹彩切除の必要はなく、自然に近い房水動態を可能としています。
また水晶体前面の房水動態を改善することで術後白内障のリスク軽減が期待されています。

【 従来のICLとの違い 】

  • ・虹彩切除が不要(手術時間の短縮、痛みの軽減)
  • ・術後眼圧上昇のリスク軽減
  • ・白内障のリスク軽減の期待

従来のICLと比較し、中央の穴による視機能の低下はほとんどみられない

ICLに関してはこちらもご参照ください
>ICL研究会ホームページ:https://icl-japan.net/

ICLのデメリット、リスク
自由診療となり、手術費用が高額となります。手術に関する主なリスクとしては、術後白内障、眼圧上昇、グレア・ハローなどが挙げられ、追加治療を要することもあります。術後感染症や網膜剥離などのリスクもゼロではありません。
ICLの費用 ※自由診療
ノーマルレンズ(近視のみ矯正)
片眼 300,000円(税込)
トーリックレンズ(近視、乱視矯正)
片眼 350,000円(税込)

ReLEX(Refractive Lenticle Extraction)

ReLExは最新のフェムトセカンドレーザー:Visu Max(Carl Zeiss社)を使用することで初めて可能になる次世代の屈折矯正手術です。

ReLEx

フェムトセカンドレーザーの特徴
フェムトセカンドレーザーとは、フェムト秒(1000兆分の1)という超短時間で角膜内にプラズマ爆発を起こすことで熱を発生させず空洞を形成させ、それを連結させることでミシン目のような切断面を形成させるレーザーです。
一般的にはLASIKのフラップという蓋を作成するときに使用されますが、当院で使用するVisu Max(Carl Zeiss社)は、他社よりも早い500Hzという出力と3.0μmの極小スポットサイズにてLASIK時のフラップ作成のみならず、フェムトセカンドレーザー自体で屈折矯正手術(ReLEx)を可能としています。
ReLEx(リレックス)ってどんな手術?
LASIKは角膜のフラップを作成した後、エキシマレーザーを用いて角膜を削り形状を変化させる手術です。一方、ReLExはフェムトセカンドレーザーのみを用いて、角膜のフラップ+レンチクル(シート状の角膜切片)を作成しレンチクルを摘出することで角膜形状を変化させ屈折矯正手術を行います。
LASIKが削ってなおす手術であり、ReLExは角膜にシート状に切って摘出してなおす手術です。ReLExには大きく2つの手術方法があります。手術は点眼麻酔で5~10分ほどで術中ほとんど痛みはありません。
2種類のReLEx
  • ・FLEx(フレックス)
    LASIK同様にフラップを作成したのち、レンチクルを除去します。LASIKに似た手術法です。
  • ・SMILE(スマイル)
    ReLExの最もメリットを発揮する手術法です。フラップを作成せず、2~3mmの切開創から角膜内部のレンチクルを除去します。
    LASIKとは異なり、フラップ作らない手術のため、外傷に強くドライアイが起きにくい利点があります。
    SMILE(スマイル)に関してはこちらもご参照ください
    > リレックススマイル研究会ホームページ:http://www.relex-smile.jp/
ReLEx(リレックス)のデメリット、リスク
自由診療となり、手術費用が高額となります。手術に関する主なリスクとしては、初期視力不良、角膜形状不正、グレア・ハローなどが挙げられ、追加治療や手術延期を要することもあります。術後感染症などのリスクもゼロではありません。
ReLEx(リレックス)の費用
FLEx(フレックス)
片眼 121,000円(税込)
両眼 209,000円(税込)
SMILE(スマイル)
片眼 181,500円(税込)
両眼 330,000円(税込)

角膜外来毎週火曜

角膜混濁(水疱性角膜症、フックス角膜内皮変性症)などに対しての角膜移植手術(全層角膜移植、角膜パーツ移植)を行っております。最新のフェムトセカンドレーザー:Visu Max(Carl Zeiss社)を使用することで角膜を正確に切除し、病巣のある部分のみを切り取り移植する手術することが可能になりました。

角膜変性症(円錐角膜・ペルーシド角膜変性症・角膜拡張症)や外傷、角膜移植後など通常のコンタクトレンズでは装用困難な患者さまに対し、月1回(第1火曜)の特殊コンタクトレンズ外来で対応しています。
円錐角膜の進行を抑制する方法として角膜コラーゲンクロスリンキングを実施しています。これは角膜を構成するコラーゲン線維どうしの繋がりを強くすることで、柔らかい組織を硬くして、角膜強度を向上させる方法です。国内での実施施設数はまだ少ないですが、当院で用いている機械を用いた方法は2006年にヨーロッパにおいてCEマークを取得しています。

また角膜変性症(顆粒状角膜変性症、帯状角膜変性症)や再発性角膜びらんに対してエキシマレーザーを用いた治療的角膜切除術(Phototherapeutic Keratectomy;PTK)、翼状片、眼窩脂肪ヘルニア、結膜弛緩症に対しての日帰り手術も随時行っております。