平成22年度文部科学省「看護師の人材養成システムの確立」
2014年2月15日(土)、小田急ホテルセンチュリー相模大野において、「平成25年度事業報告・教育講演会 3〜5年目看護職のキャリア発達を支える」を行いました。前日の降雪で交通機関が大きく乱れましたが、地元相模原や県内の医療機関だけではなく、長野県をはじめ遠方からもお越しいただき、78名の参加がありました。
別府 千恵 | 北里大学病院看護コラボレーションセンター センター長 北里大学病院 副院長・看護部長 |
「協働を基盤とした高度実践者・教育者の育成」全体の報告
3〜5年目看護職がキャリアを積み、エンパワーする能力を獲得できるために構築した教育プログラムの概要と実績を報告しました。また、コンピテンシー理論を用い、患者に成果を生み出すジェネラリスト、教育者、管理者およびスペシャリストを育成するためのキャリアパス構築について説明しました。
黒田 裕子 | 北里大学病院看護コラボレーションセンター 副センター長 北里大学 看護学部長 |
3〜5年目看護職を対象としたキャリアの実態
−看護コラボ事業開始年度(2010年度)と最終年度(2013年度)の調査比較を通して−
3〜5年目看護職を対象としたキャリアの実態把握のための量的調査・質的調査から、3〜5年目看護職は、「組織からの影響」「プライベートな生活」「生きる価値・信念・目標」「看護専門職としてのアイデンティティ」など多様な状況に影響を受け、キャリアビジョンを描くなどの研究結果を報告しました。
奥田 弘美 | メディカル&ライフサポートコーチ研究会 代表 |
別府 千恵 | 北里大学病院看護コラボレーションセンター センター長 北里大学病院 副院長・看護部長 |
教育講演では、自主性を引き出し、効果的な行動に結び付けていくコミュニケーション法であるコーチングが、3〜5年目の看護職のキャリア支援に役立つと考え、メディカル&ライフサポートコーチ研究会 代表の奥田先生を迎え、メディカルサポートコーチングについてお話しいただきました。
講演は、一般的なコーチングについての説明にはじまり、医療現場で実践できるテクニックまで、映像を交えながら進んでいきました。「聴く」「質問する」「伝える」という3つのスキルを順序立てて使うことによって、やる気を引き出し、解決策を自主的に導き出すことができるのがコーチングの力であると教えていただきました。3〜5年目看護職のキャリア支援を行う管理者には、必要なスキルであると改めて感じることができました。
3〜5年目看護職の離職防止やエンパワーへの取り組みは、研究結果を踏まえた教育プログラムの開発・実施、キャリアパスの構築などとともに、今回学んだ、コーチングスキルを活用し、3〜5年目看護職個々のニーズを引き出し、支援していくことの重要性を、地域の医療施設・教育機関の方々と共有できました。
積雪により交通網が乱れる中、遠方からもご参加くださった皆様にこの場をかりて、お礼を申し上げます。