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看護シミュレーション施設見学・NLN(全米看護連盟)教育サミット参加研修報告

「シミュレーションを中心とした継続教育プログラム作成と、基礎教育へのシミュレーション教育の確立に向けた活動に示唆を得る」ことを目的とし、Mira Costa CollegeとSaddleback Collegeの視察・NLN(全米看護連盟)教育サミットに参加してきました。今回は北里大学病院看護部から3名が参加しました。

1. 看護師教育機関におけるシミュレーション教育

Mira Costa College・Saddleback College両施設ともコミュニティーカレッジとして地域に根差した看護師教育機関で、レジスタントナース・ナーシングアシスタント・各種テクニシャンなどの養成を行っています。Saddleback Collegeの看護学生と救急救命士学生は、急変対応における役割・蘇生技術・コミュニケーションなどのタスクを繰り返し、シミュレーション演習とディブリーフィングを通した体験から学んでいました。視察を通し、シミュレーション教育の質を高めるためには、インストラクターの養成・ラボの管理者の設置・教員のシミュレーション教育への研鑽が必要だと感じました。また、看護学生がいつでも技術演習ができるようにスケジュールや医療材料・シミュレーターの管理が実施され、自主的に学ぶ環境の整備がされていました。今後シミュレーション教育の質を高めるための人材確保や育成、環境整備などを進めていくにあたり大変参考になりました。

看護シミュレーション施設見学・NLN(全米看護連盟)教育サミット参加研修報告

2. NLN教育サミット

NLN(全米看護連盟)教育サミットでは主にシミュレーション教育関連のセッションに参加しました。アメリカの看護教育におけるシミュレーション教育の急速な発展は、日本と同様、入院期間の短縮に伴い、臨床実習期間が激減したことから始まったそうです。臨床実習期間の激減が新人看護師のリアリティーショックへつながり、離職を促進させているとして問題視されました。患者の状態を再現し繰り返し学習ができるシミュレーション教育によって、臨床判断能力やコミュニケーション力を向上させることで、この問題解決につなげられると報告されていました。

看護シミュレーション施設見学・NLN(全米看護連盟)教育サミット参加研修報告

現在、当院では看護学部と臨床の協働を基盤として、基礎教育にシミュレーション教育を取り入れるためのプロジェクトを始めています。看護学部教員だけではなく、臨床実践能力の高い臨床の看護師が積極的に基礎教育に参画し、協働してシミュレーション教育を実施することが必要であると再認識しました。

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