消化管造影検査

消化管造影検査とは?

消化管造影検査とは、造影剤を用いて食道、胃、十二指腸、小腸、大腸を撮影する検査です。
北里大学病院では現在3台のX線透視装置が稼動しており、様々な部位・疾患に対して必要な情報を提供しています。
検査は、医師、診療放射線技師、看護師が担当します。

検査の特徴

病変の全体的な位置や範囲がわかる

胃や腸の全体を広く撮影できるため、病気のある場所、大きさ、広がりが一目でわかります。

空気でふくらませて検査する

普段、胃や腸はしぼんでいます。検査では、胃や腸をしっかりとふくらませないと、全体をまんべんなく見ることができません。
このため、胃や腸に空気を入れ、ふくらませた状態で検査します。
胃の検査では発泡剤(胃をふくらませる粉薬)を使うことがあります。

撮影時に体を動かす必要がある

胃や腸に造影剤を塗ることで、全体のようすを見ることができます。
造影剤をまんべんなく塗るために、体の向きを変えたり検査台の角度を変えたりします。
また体の向きを変えることによって、胃や腸をいろいろな方向から見ています。

検査前処置の必要がある

胃や腸に食べ物が残っていると、全体をくわしく見ることができません。
このため、検査前には食事制限があります。
検査前処置がうまくできていない場合は、検査ができないことがあります。

筋肉注射をすることがある

消化管は、食べたものを消化して先に送り出す運動をしています。
検査中に送り出し運動があると、胃や腸の全体が見えにくくなります。
そのため動きを抑えるための筋肉注射をすることがあります。

主な消化管造影検査

上部消化管造影検査

胃にバリウムと空気を注入します。
食道、胃、十二指腸にある病気の位置、大きさ、広がりがわかります。


正常

胃癌

下部消化管造影検査

肛門から挿入したチューブを通してバリウムと空気を大腸に注入します。
大腸の走行、病変の位置、性状、広がりがわかります。


正常

大腸癌

検査の流れと諸注意

1. 準備

本人確認のためお名前と生年月日をお尋ねします。
検査に関する問診を行い、着替え等の準備をしていただきます。


問診風景

2. 入室

検査室入口で再度、本人確認を行ってから入室していただきます。


検査室 入室時風景

3. 検査

検査を開始します。



いろいろな方向から撮影するため、体の向きを変えていただきます。

検査に関する諸注意

  • 検査着に着替えていただきます。
  • 以下のものは安全に検査を受けていただくために外していただきます。
    ・ネックレス
    ・眼鏡
    ・時計
  • 妊娠中の方、または妊娠の可能性がある方は検査を受けることができません。
  • 心臓ペースメーカー、埋め込み型除細動器(ICD)を挿入されている方は、検査を受けられない場合があります。スタッフにお伝えください。
  • 検査でバリウムを使用した場合、便が白くなります。
    体内でバリウムが固まる場合がありますので、検査後は十分に水分を摂ってください。