乳房X線撮影

乳房X線撮影とは


乳房X線撮影は、乳房を2枚の板で挟んで圧迫し、薄く広げて撮影するX線検査で、
マンモグラフィともいいます。
北里大学病院では、現在2台の乳房X線撮影装置が稼動しており、トモシンセシスの撮影が可能です。
女性スタッフが撮影を担当します。
トモシンセシスは、複数の薄い断面の画像を一度に得ることができます。
従来のマンモグラフィでは乳腺組織に重なって見えにくい微細な病変も、トモシンセシスでは複数の断面画像で判定できるため、より見つけ出しやすくなります。
一度の圧迫で、トモシンセシスとマンモグラフィを同時に行います。


従来のマンモグラフィ

トモシンセシス
異常がわかりやすい

撮影の特徴

しこり(腫瘤)や石灰化を発見できる

乳房X線撮影の画像では、乳腺は白く、脂肪は黒く写ります。
左右の画像を並べて観察し、左右で異なるところ、乳腺構造の乱れ、
腫瘤、石灰化などがないか探します。

腫瘤は白く写ります。また、石灰化は乳腺内にできるカルシウムの粒で、白い点状の影として写ります。
石灰化がある場合は、その並び具合を観察することによって、がんである可能性を見きわめます。


腫瘤

石灰化

乳房を圧迫する

乳房は、主に乳腺(乳管や結合組織など)と脂肪から構成されています。
乳がんは乳腺から発生するため、乳房X線撮影では、乳腺がよく見えるように、乳房を圧迫し、薄く広げて撮影する必要があります。

痛みを感じることがある

できるだけ乳房を引き伸ばして撮影するため、圧迫による痛みを感じることがあります。
リラックスすることで痛みが軽減されます。
痛みが強い場合はスタッフにお伝えください。

乳房X線写真

頭尾(Cranio-Caudal : 画像

乳房を頭側から圧迫して撮影した画像です。


(右)     (左)

内外斜位(Medio-Lateral Oblique : MLO)画像

大胸筋の角度に合わせて装置を斜めに傾け、内側から乳房を圧迫して撮影した画像です。


(右)     (左)

撮影の流れと諸注意

1. 準備

本人確認のためお名前と生年月日をお尋ねします。
妊娠の有無、諸症状の確認を行い、更衣の説明をいたします。
検査着に着替えていただきます。

2. 撮影

基本的に立った状態で撮影を行いますが、立った状態が保持できない場合は椅子に座った状態でも撮影可能です。
乳房を片方ずつ2方向から撮影します。痛みが強い場合は遠慮なくスタッフにお伝えください。 


頭尾(Cranio-Caudal : CC)
方向撮影風景

内外斜位(Medio-Lateral Oblique : MLO)
方向撮影風景

撮影に関する諸注意

  • 以下の方は原則乳房X線撮影を受けることができません。
    ・妊娠中の方、または妊娠している可能性がある方
    ・立った状態や椅子に座った状態を保持できない方
  • 心臓ペースメーカー、埋め込み型除細動器(ICD)を挿入されている方、豊胸術を受けた方は撮影できない場合があります。
  • 以下のものは画像に写り込み、石灰化のように見えることがあります。
    診断の妨げになりますので、撮影前に落としていただく場合があります。
    ・制汗剤
    ・パウダーなど
  • 以下のものは安全に撮影を受けていただくために外していただきます。
    ・ネックレス
    ・眼鏡