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人工括約筋


男性重症尿失禁に対する人工括約筋植え込み手術について

当科では男性重症尿失禁に対し人工括約筋植え込み手術を施行しています。

尿失禁は生活の質(QOL)を低下させるだけではなく鬱や自殺との関連についても報告されています。男性においては前立腺の存在・骨盤の解剖学的構造などから女性と比較すると尿失禁の頻度は少ないものの、前立腺癌や前立腺肥大症に対する手術後にはこの解剖学的特徴が゙喪失されるため尿失禁が増加します。特に前立腺全摘術に伴う尿失禁は手術直後にはほとんどの症例で経験されます。術後1年程度で症状改善を認めることが多いですが、欧米の報告では8〜20%の症例で尿失禁が長期に残存するといわれており、本邦の調査においても我が国での重症尿失禁の年間発生数は360例程度と見込まれています。

男性尿失禁に対する治療法として行われている治療法として、骨盤底筋体操などの理 学療法、コラーゲンの尿道注入療法、人工括約筋植え込み手術、スリング手術、尿道の 左右に調整可能なバルーンを植え込む手術などが行われていますが、これらの治療法の中で厚生労働省の承認を受けている治療手段は、理学療法、コラーゲンの尿道注入療法、人工括約筋植え込み手術です。しかし前者2つは重症例には効果が期待できません。一方、人工括約筋植え込み手術は男性重症尿失禁に対する標準治療とされており、人工括約筋植え込み手術により尿失禁は著明に改善しパッド使用枚数が1日1枚以内になる割合は90%以上といわれています。

本邦でも平成24年4月より保険適用となりました。200万円程度を要していた高度先進医療時代と比べ患者様の負担額は大幅に軽減され、重症尿失禁で悩まれている患者様にとって福音となりえる治療の選択肢であると考えられています。当院では前立腺全摘術後の尿失禁で悩んでいらっしゃる患者様に対してこの人工括約筋植え込み手術を積極的におこなっております。

人工括約筋植え込み手術 留置イメージ

一般的な患者様の負担額(室料、食事代別) ・一般健康保険(3割)387,450円
・老人健康保険(3割)90,345円
・老人健康保険(1割)44,400円

一般的な入院日数
・約5日間程度

一般的な麻酔方法
・硬膜外麻酔または脊髄麻酔による下半身麻酔

注意:上記は一般的な経過をたどった場合の例であり患者様の状態により変更することがございます。

診察を御希望の方は平山貴博医師(日本泌尿器科学会専門医)の火曜日の外来予約をおとりいただくか直接御来院ください
(初診の診察は待ち時間が長いため御迷惑をおかけ致します)

予約センター電話番号(代表)
042-778-8855
平日:午前8時30分〜午後6時 土曜:午前8時30分〜午後3時
(第1・3・5週のみ)


人工尿道括約筋植え込み術(AMS800®)手術説明書