ホーム > 放射線治療法の紹介 > 前立腺がんの放射線療法

放射線治療法の紹介

前立腺がんの放射線療法

体の外から患部に放射線を照射するする外部照射法と前立腺の中に放射線源(密封小線線)を刺入し、前立腺内部から直接照射する密封小線源療法があります。どちらを選択するかは、病巣の大きさ、進展度により異なりますので泌尿器科の医師、もしくは放射線治療医に御相談下さい。

前立腺はどこにあるのか?

男性のみにあるクルミ大の器官膀胱の出口にあり、尿道をとりまいています。

前立腺はどこにあるのか? 男性のみにあるクルミ大の器官膀胱の出口にあり、尿道をとりまいています。

前立腺がんの指標となる腫瘍マーカー

※40~50代でPSA 2.5ng/ml以上は注意が必要!!

PSAの正常値 40~49才 0.0 - 2.5 ng/ml
50~59才 0.0 - 3.5 ng/ml
60~69才 0.0 - 4.0 ng/ml
70~79才 0.0 - 4.0 ng/ml


1) 強度変調放射線治療(IMRT)

前立腺は、膀胱と直腸の間に挟まれている臓器です。通常、放射線治療では骨を目安に位置を確認しますが、膀胱の大きさ(尿量)や直腸の大きさ(ガスや便)が変化すると前立腺が動いてしまいます。
当院では、Tomotherapyを用いて治療直前にCTを撮影し、治療計画画像との位置照合を行っています。また、前立腺に金属マーカを挿入し、X線透視画像を用いてマーカによる正確な位置決めも行っています。前処置として排便、排尿後、水を約300ml飲んでもらい30分後に治療を開始しています。1回の治療時間は約20分で、40回の分割照射を行っています。

強度変調放射線治療(IMRT) 放射線治療用
マーカ VISICOIL
コイル径 0.75mm
長さ 5mm
マーカ挿入後の前立腺
マーカ挿入後の前立腺
X線透視画像によるセットアップ
X線透視画像によるセットアップ
前立腺IMRT
前立腺IMRT

Tmotherapyによる前立腺癌のIMRT(後述)
KV-CT(治療計画時のCT画像)
KV-CT(治療計画時のCT画像)
MV-CT(Tomotherapy装置によるCT画像)
MV-CT(Tomotherapy装置によるCT画像)
MV-CTとKV-CTとの不一致
MV-CTとKV-CTとの不一致
MV-CTとKV-CT画像を一致させる(画像誘導)
MV-CTとKV-CT画像を一致させる(画像誘導)

線量分布図
(水平断像)
(水平断像)
(冠状断像)
(冠状断像)
(矢状断像)
(矢状断像)

2) 3次元原体照射

IMRTが難しい方には3次元的に多分割コリメータを使用して前立腺の形状に一致させて照射を行う3次元原体照射法(3D conformal radiotherapy:3DCRT)で治療を行っています。 これにより周辺臓器への負担を減らすことができ、副作用が少なくQOLの高い治療が可能となります。

■長所
外来通院での治療が可能です。
麻酔等の必要が無く、心臓疾患や併用薬剤に影響を受けず治療が可能です。

■短所
IMRTでは80Gy、3DCRTでは原則70Gyを照射するので、計35~40回の分割照射となり、計7~8週間にわたる通院が必要(治療期間が長い)になります。

■前立腺の3次元治療計画
前立腺の3次元治療計画
■前立腺位置(正面)
前立腺位置(正面)
■前立腺位置(側面)
前立腺位置(正面)

3) 密封小線源療法

・低リスク群→ 永久刺入組織内照射(低線量率:I-125)
・中等度リスク群→ 一時刺入組織内照射(高線量率:Ir-192)+外部照射、一部は永久刺入組織内照射(低線量率:I-125)の適応±外部照射
・高リスク群→ 一時刺入組織内照射(高線量率:Ir-192)+外部照射

密封小線源永久挿入療法(低線量率I-125線源)

非常に弱い放射線を出す小さな線源(長さ:約4.5mm、直径:約0.8mm)を50~100個程度、前立腺内に挿入し、前立腺内のがん病巣へ放射線を照射する方法です。
線源はカプセル状になっておりチタン製で、中に放射性ヨード(I-125)が密封されています。
このカプセルは永久に前立腺内に残るが、出る放射線量は徐々に弱まり、1年後にはほとんどゼロになります。

■長所
手術による体への侵襲が極めて軽度であり、術翌日から通常の生活に戻れます。
尿失禁や男性機能不全等の障害が少ない。

■短所
すべての前立腺がんが適応とはなりません。
入院(3泊4日)が必要となります。

■シード線源
前立腺の3次元治療計画
■ヨウ素125シード線源
前立腺位置(正面)
元素記号 I
質量数 125
線質 γ線およびX線
半減期 59.4日
平均エネルギー 28KeV
半価層(鉛) 0.025mm
半価層(組織) 約2cm
前立腺位置(正面)

一時刺入組織内照射(高線量率Ir-192線源)

高リスク群に有効な治療法です。高い線量率(High-dose-rate、HDRと略)を持つ放射線源Ir-192を使用し、前立腺内へ挿入したガイド針(アプリケータ)を通し、 前立腺内のがん病巣へ放射線を照射する方法です。当院では3日間で5回の照射を行います。
また、本治療終了後、IMRTを用いた外部照射を2週間10回併用します。

■長所
I-125永久挿入療法より、さらなる治療効果が期待できる可能性があります。
尿失禁や男性機能不全等の障害が少ない。

■短所
特別な放射線治療装置や、治療計画コンピューター等が必要です。
一度刺入した針を3日間にわたり継続留置して使用するため、ベッド上で3日間の安静が必要です(入院治療となります)。
原則、外部照射を併用します。

前立腺の3次元治療計画 ■横断面
横断面
■冠状面
冠状面
■矢状面
矢状面
■3D
3D
模擬線源による治療計画で適切な線量配置を確認後、治療装置と専用の輸送ケーブルで接続後、治療をおこないます。治療時間はおよそ20分位です。

■治療装置

横断面 横断面






ページ上部へ戻る