臨床研究のご紹介

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~北里大学病院(相模原キャンパス)での症例、臨床研究

1.腎臓内科での、及び他部署, 他診療科との共同での臨床研究

腎疾患の症例集積による疾患の特徴とより良い治療手段の検討(青山講師)
  1. 対象疾患は、IgA腎症, 糖尿病腎症, また慢性腎不全に対する治療薬の検討などです。当院で診断治療していただいた各疾患について、経過, 検査データ, 腎生検所見を整理解析し、新たな特徴を見出し、より良い治療手段を検討しています。
  2. 特に「微小変化型ネフローゼ症候群におけるアレルギーの病態関与についての症例集積研究」では、抗アレルギー薬投与によりネフローゼ症候群の再発予防が可能な方の結果がでてきております。同疾患再発の際にはステロイド治療の再開、投与増量が必要でしたが、その治療内容をよりご負担の少ない方法に変えられる可能性もでてきており、今後の集積研究が大切です。
当院で実施している臨床研究
  1. 慢性腎臓病(CKD)患者におけるV2受容体拮抗薬が尿量増加への臨床効果についての後ろ向き観察研究
    (承認番号:B13-119)研究責任者:青山東五
  2. 微小変化型ネフローゼ症候群におけるアレルギーの病態関与についての後ろ向き症例集積研究
    (承認番号:B15-140)研究責任者:青山東五
  3. 新規維持透析患者のリハビリテーションの有無別による栄養管理に関する後ろ向き集積研究
    (承認番号:B17-281)研究責任者:青山東五 ※北里大学病院 栄養部吉田朋子さんと共同研究
  4. 血液透析患者におけるC型肝炎に対するグレカプレビル/ピブレンタスビル併用療法導入の検討
    (承認番号:C17-237)研究責任者:正木貴教、青山東五 ※北里大学病院消化器内科学と共同研究
  5. 北里大学病院腎臓内科における透析導入患者の予後についての多施設後ろ向き症例集積研究
    (承認番号:B17-025)

2.地域のかかりつけの先生方との共同臨床研究

高血圧診療の調査に基づく慢性腎臓病の進行抑制に向けて

高血圧診療ガイドラインに基づく神奈川県下の実地医家での診療状況の調査とCKD 進行抑制に関する臨床研究 Kobayashi K et al. Clin. Exp. Hypertens. 39, 705, 2017.

糖尿病腎症の進行抑制に向けて

かかりつけの先生方のところには多くの糖尿病性腎症の方が通院されています。維持透析の最大の原因となる糖尿病腎症の進行抑制を進めるために地域のかかりつけの先生、栄養士、保健師、看護師さん達と協力していきます。

  1. 多職種同士の協力による糖尿病腎症進行抑制診療システムの構築
  2. SGLT2 阻害薬によるCKD進行抑制効果の検討

3.他大学との共同臨床研究

希少疾患の症例集積研究:家族性LCAT欠損症の症例集積と治療手段の検討

食事で摂取し、また体内で合成される脂質成分は色々な酵素で分解されますが、そのうち「Lecithin cholesterol acyltransferase (LCAT)」の機能異常で様々な臓器に脂質が蓄積してしまう病気を「LCAT欠損症」と呼びます。角膜混濁, 貧血, 進行性腎臓病等が見られ有効な治療はありません。
当科では「千葉大学医学部附属病院 未来開拓センター」と共同で症例の集積と有効な治療手段の確立について検討を継続しております。大変希少な疾患であり、今後も地道な解析に努めて参ります。

~北里大学メディカルセンター (KMC) 病院腎臓内科での臨床研究

埼玉県北本市にある北里大学メディカルセンター腎臓内科での臨床研究です。

  1. 主な研究テーマとして、1)透析患者における長期合併症としての腎性貧血およびCKD-MBDの臨床研究、2)急速進行性腎炎の長期予後に関する臨床研究、の二つを継続的に行っています。 北里大学本病院と異なり、急性期から慢性期まで診療を行っている当院ならではの研究成果を目指しています。
  2. 初期研修医には症例報告、後期研修医以上には臨床研究を年1本以上論文として発表する事を目標に取り組んでいます。
    大学での医学研究というと敷居が高いと感じるかもしれませんが、まず第一歩がなければ次へは進めません。

北里大学メディカルセンター腎臓内科で、長場准教授、島田助教の非常に熱心な指導のもと、本院スタッフとも協力して、臨床研修とともに、初めての研究もぜひ一緒に始めてみましょう!