診療内容
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診療の基本方針
- 先ず、内科医として(更には‘ヒト’として)、患者さんやご家族のお話しをよく伺うように心がけています。
- 相模原医療圏(相模原市全域を中心に町田市、多摩地区、大和市、綾瀬氏、座間市、海老名市、横浜方面の一部)の病診、病病連携を重視しています。 地域医療連携
- 腎臓関連疾患の専門科として、腎臓病の初期から末期まで、また腎臓のみの病気から全身性疾患の腎障害まで、全ての腎臓病について丁寧な診断を心がけ、根拠に基づいた治療を行います。
- 大学病院の特性から腎臓病の確実な診断、腎臓病の急性期治療、比較的稀な腎臓病の治療、治療法が確立されていない腎臓病の治療、複数の診療科が関与する腎臓病の診療などを中心に行います。
ご受診をおすすめする症状や検査異常
- すでに透析治療をお受けになっていて、発熱、腹痛、咳や息切れ、などの全身症状がある場合の検査と治療
- 健康診断や人間ドックでの尿所見異常、検査値異常、腎超音波(エコー)などの画像検査異常
- 蛋白尿、血尿、白血球尿などの精査
- 発熱、関節痛、皮疹、手足のしびれなどの異常が出てきた ⇒膠原病、血管炎など
- 家系に腎臓病、透析の方がいる ⇒遺伝性の疾患など
- 糖尿病がある場合
- 高血圧、むくみ、尿量が多い(一日で十数回も排尿する)、夜間尿が増えた、口喝が強くて仕方がない、 黒~褐色尿、などの検査と治療
- 電解質(血液検査でナトリウム、カリウム)やミネラル(カルシウム)の異常
- 腎移植や透析(血液、腹膜問わず)療法についてのお問い合わせ
腎臓の病気に関するお話しの中にしばしば「腎生検」という言葉がでてきます。
この検査は腎臓病の最終診断を得る手段としてとても大切な検査です。医学の発展は目覚ましいのですが、血液検査や尿検査だけで確定診断できる腎臓病はまだほとんどありません。
診療対象の具体的疾患名
一次性糸球体疾患
- 腎臓(特に糸球体)のみに異常が現れる疾患(急性糸球体腎炎、IgA腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎等)
二次性糸球体疾患
- 全身性疾患に伴う腎臓病~早期診断・治療の観点から重視しています
- 糖尿病、ループス腎炎(SLE腎炎)を代表とする膠原病、血管炎の腎障害、紫斑病性腎炎、感染性腎炎、代謝性(尿酸、重金属、酵素異常等)腎疾患など
ネフローゼ症候群
- 微小変化型ネフローゼ症候群、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症等(一次性、二次性問わず大量の尿蛋白が漏れる病気)
尿細管間質疾患
- 薬剤性尿細管間質性腎炎、膠原病、サルコイドーシス、その他
先天性腎疾患
- アルポート症候群、多発性のう胞腎、ファブリー病、その他
腎血管疾患
- 良性・悪性腎硬化症、腎梗塞、コレステロール塞栓症、抗リン脂質抗体症候群、血栓性微小血管症(溶血性尿毒症性症候群(HUS)、血栓性血小板減少性紫斑病)、血管炎(多発性動脈炎)
腎血管疾患
- 良性・悪性腎硬化症、腎梗塞、コレステロール塞栓症、抗リン脂質抗体症候群、血栓性微小血管症(溶血性尿毒症性症候群(HUS)、血栓性血小板減少性紫斑病)、血管炎(多発性動脈炎)
尿細管機能異常
- 尿細管性アシドーシス、バーター症候群、ギッテルマン症候群、ゴードン症候群
尿路疾患
- 尿管結石、尿路感染症
高血圧症
- 高血圧の原因診断と治療 (悪性高血圧症、腎血管性高血圧症、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫)
電解質異常 ⇒ ここから全身疾患が見つかることもしばしばあります!
- ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、尿酸の異常値に対応
内分泌疾患
- 血圧、電解質異常と関連して検索
急性腎不全
- 脱水、急性尿細管壊死、急性尿細管間質性腎炎、膠原病▪血管炎、HUS、その他
慢性腎不全
- 腎性貧血、腎性ミネラル骨疾患、急性心不全、その他合併症
維持透析合併症
- 慢性心不全、透析アミロイドーシス、骨・関節疾患、貧血、虚血性心疾患、心臓弁膜症、消化器疾患、その他の全身合併症を検索・加療します
腎疾患合併妊娠
- 腎炎合併妊娠、腎不全合併妊娠
腎移植
- 腎移植のドナー∙レシピエントの適応決定、腎移植後の加療管理
外来診療:外来受診の手順
- 当院は特定機能病院の承認医療機関です
受診には診療所・病院からの紹介による受診を原則としております。紹介状を持参されることで、正確な医療情報の伝達が可能となり、診断やその後の治療方針等に反映され、医療の継続性が高まります。 - セカンドオピニオンへの対応も行っております
基本的に腎臓関連疾患はすべて対応いたしますが、担当医の専門分野もご紹介いたします
<セカンドオピニオン担当医>
担当医師 | 担当分野 | 専門疾患 |
竹内 康雄(教授) | 腎疾患全般(腎炎、腎不全、透析医療) | 腎移植、血管炎▪膠原病 |
---|---|---|
青山 東五(講師) | 腎疾患全般(腎炎、腎不全、透析医療) | 遺伝性疾患(多発性のう胞腎) |
外来診療日、担当医等
1.初診の患者さま
月曜日から金曜日まで、「内科総合外来 腎臓内科」(本館1階、正面玄関からすぐ) で腎疾患専門医が診療にあたっております。 8時20分~11時00分までに内科総合外来にご来院ください。
- なお、午後の時間帯(13時00分~17時00分)で、緊急性が高く翌日の外来受診まで待てない場合には、お電話にて内科専門外来にご相談ください。
- 糖尿病腎症の診療をご希望の方は内科総合外来へ紹介いただいた後に、金曜日(中嶋医師)の「内科専門外来 糖尿病腎症」にご紹介することもございます。
2.再診の患者さま
原則として 「内科専門外来(腎臓内科)」 (本館2階)で、月曜日から金曜日まで腎疾患の専門診療にあたります。基本は時間予約制となっています。
入院診療:入院の診療体制・内容
入院診療は以下のようなものがあります。
- 検査入院:腎生検、血管カテーテル検査、薬物負荷検査、外来診療で確定診断が得られない場合
- 治療入院:急速進行性腎炎、ネフローゼ症候群、急性腎不全、難治性腎炎、慢性腎炎、 腎疾患合併症の急性期、透析導入、維持透析患者の合併症、腎移植後の合併症など
- 教育入院:短期間(4~5日程度)の腎不全指導・教育の為の入院
入院の診療体制
1号館6階N 病棟(6N)に約29床のベッドを有しています。週に一度、主治医、看護師、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカーなど、多職種が集まって各患者さんに最も良い医療内容を相談しています。
- 主治医・病棟医・受持ち医がチームを組み、毎日の診療にあたります。
- 診断、治療方針を決める検討会:毎週火曜日、水曜日、木曜日に入院患者さん全員の一週間の経過について腎臓内科スタッフ全員が集まり、診療の適切性、妥当性を検証しています。
- 腎臓内科入院患者の確定診断名と患者数の推移を別表に示します。病因・病理診断(腎生検の標本による診断)と臨床機能(血液▪尿検査の結果)診断の二つの表となっています。
腎臓病の勉強会:「そらまめ教室」「腎臓病教室」について
腎臓の病気は、自覚症状に乏しく、徐々に進行していくことが多いのが特徴です。しかし、最近の医学の進歩により、病気を改善したり、進行を遅らせたりすることが出来るようになりました。治療効果を更に良くするために、①生活を整える、②食事の工夫、③薬物療法、をしっかりと行なうことが大切です。腎臓病とうまく付き合っていくことで生活上の制限を少なくすることが出来ます。患者さんは腎臓の働きや病気を理解し、なぜこの薬が必要なのか、なぜ食事の管理が大切なのかを自ら学んでいくことで病気を良くしたり、進行を遅くしたりすることができます。
そらまめ教室は患者さんが腎臓やその病気に対する理解を深め、治療の意義を理解し、積極的に治療に臨めるように、との思いから始まった教室です。守屋利佳医師を中心に運営されていて、看護師、栄養士、臨床検査技師、薬剤師、ソーシャルワーカーの各職種がそれぞれの立場から、腎臓病との付き合い方を説明します。質問もできる暖かい雰囲気の中、教室の終わりには腎臓病食の試食をして解散となります。これまで教室を受講していただいた多くの皆さまが腎臓病の治療に積極的に取り組んでいます。
開催は年に3~4回。土曜日の午前中2回で1コースのパターンと1回で1コースのパターンがあります。詳しくは、腎臓内科外来担当医師にお尋ね下さい。