教室紹介

ごあいさつ

~腎臓病をお持ちの方、あるいは疑いのある方、医療関係者の皆さまへ~

多くの腎臓病は症状に乏しく、知らない間に進行して末期腎不全(透析、腎移植になるくらいに悪化した状態です)に至ってしまうことが稀ではありません。このような、慢性に経過する多彩な腎臓病を「慢性腎臓病(CKD: chronic kidney disease)」と一括して呼びます。また、急に腎臓が悪くなって週、月単位の間に末期腎不全になってしまう「急性腎不全」も少なからずあります。これらの原因になる原発性糸球体腎炎、糖尿病、膠原病、血管炎、その他の多彩な疾患の個別治療も進歩しており、また原因に関わらずCKDの進行を遅くする(中には長期間進行しない方も!)ことも可能になってきています。一般に‘腎臓病は治らない’というイメージが強いと思いますが、皆様に最新の腎臓病学の診断、治療を提供いたします。腎臓病が疑われる場合には、症状がなくても腎臓専門医の診療をお受けになることをお勧めいたします。

~これから腎臓病の診療、研究をやってみたい、興味がある、という皆さまへ~

当科は腎臓病関連疾患の専門診療科ではありますが、1)北里大学病院内科診療部門の一員であり、2)相模原市の一角で診療研究活動を行っております。この点を重視して内科医としての診療をしっかり行い、地域の皆様に貢献できますよう精進しております。 しかしながら腎臓学そのものも、当教室も、これから大きく発展させるために皆さまの力が必要です。臨床研修、研究活動、講演会への参加、どんなことでも遠慮なくお声をかけてください。
以下から「研究活動」, 「臨床研修をご希望される皆さまへ」のページへ入れます。 是非ご覧ください

当科の方針

当科は、1) 先ず内科医たれ、2) 腎炎~透析~腎移植は三位一体、3) 地域医療への貢献を、がモットーです。特に病診連携を重要視し、腎疾患の早期診断と治療開始を目指します。ご依頼を頂いた際は速やかに受診、入院いただけるよう徹底しております。腎疾患はもとより腎機能障害の患者様の循環器呼吸器、消化器、神経、骨関節、血液異常など幅広い分野の異常をお受けいたします。治療後はご紹介元へお願いいたしますが、病状により一定期間で当科をご受診いただき、ご一緒に診療継続させていただきます。

このような症状、検査の異常の方はいらっしゃいませんか?

このデータ変だな?、大したことはなさそうに見えるけど一応相談しておくか、それで結構でございます。ご相談、ご紹介ください

    • むくみが急にでてきた、むくみがなかなかひかずに悪化する
    • 尿の量が少なくなった、夜間に多くなった、尿の泡立ちが消えない、尿が褐色に濁る、
    • 健診で腎機能が悪い、尿蛋白や血尿にチェックがついた、以前から言われている
    • 腎不全の進行、腎炎による尿蛋白増加や血尿などによる症状かもしれません
  1. 上記の症状に発熱、関節の痛みや張れ、皮膚の紅い斑点や出血(‘紫斑’)、しびれを伴う
    • 膠原病、血管炎などの重症の全身病の可能性があります。
  2. 糖尿病の診断がついていて…
    腎機能の数値が正常以下あるいは正常値を大きく上回るeGFR値、一般尿検査で尿蛋白がある、微量アルブミン尿が陽性である、のような方。
    確定診断と早めの合併症対策が必要です。
  3. 現在維持透析をしていて… 原因のわからない発熱や炎症反応がある、貧血や血小板数値異常が治らない、息切れや腹痛などの症状がある
  4. なかなか血圧が下がらない、動脈硬化による病気が心配

腎臓内科の沿革

最後に当科の歴史を少し御紹介させていただきます。

北里大学医学部が創設された昭和45年に、内科学II(循環器∙ 腎臓∙ 血液内科:木川田隆一主任教授)の一部門として腎臓内科学グループが誕生し、翌年の昭和46年7月、北里大学病院開院時には腎臓内科として診療を開始しました。 昭和45年頃は、現在知られている腎臓病の多くが発見され、検査や治療が確立し始めた時期です。透析療法が開始され、腎移植も可能になっていました。このように、当科は日本の腎臓病学の発展とともに一緒に歩んできました。

北里大学腎臓内科は、創設当初から腎臓病学の全ての分野をカバーすることを目標に、精力的に診療、研究、教育を行い、多くの優秀な内科医を育ててきました。そして、平成17年4月には北里大学医学部に独立した「腎臓内科学教室」が誕生し、今日に至っています。