教室紹介

教授ごあいさつ

北里大学血液内科では、急性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群などの造血器腫瘍のほか、再生不良性貧血、溶血性貧血、凝固線溶系疾患など、ほとんど全ての血液疾患を対象に高度な専門的診療を行っています。そして当科では、血液内科と輸血細胞移植部のスタッフが連携しており、それぞれの専門的立場を最大限に活用した協力体制で診療を行っています。
私たちが診療の対象としている血液細胞や凝固因子は「全身臓器」です。血液の異常は循環器・消化器・呼吸器・腎泌尿器系などあらゆる臓器に波及するため、血液内科の診療範囲は広く、その意味で究極の「総合内科」としての側面を持っています。また、血液の異常は他科の診療に対しても大きな影響を与えます。私たちは基盤診療科として医療に貢献できるようこれからも努めていきたいと思っています。

血液学は進歩の早い領域であり、様々な研究成果が実際の診療にフィードバックされる機会の多い領域でもあります。このため、血液内科にとって研究活動に携わることはとても重要であり、これは大学病院の責務でもあります。北里大学は相模原市を中心とする人口100万人超のエリアを診療圏としており、極めて多くの患者様が来院されますが、当科では各分野の専門家のもと各種造血器疾患における治療やバイオマーカーに関する臨床研究を単施設、多施設共同で行い、臨床診療に還元していきたいと考えています。
また、基礎研究では各種造血因子による骨髄造血細胞の制御や輸血による鉄過剰症の研究など、腫瘍・幹細胞に関わる研究を進めているところです。

私の使命は、地域の血液診療を担っていくこと、そして診療・研究の素養を横断的に身につけたエキスパートを養成することです。多くの患者様に質の高い医療を提供すると共に、スタッフには診療・研究で様々な経験を積んでもらい、更なる発展を目指します。

北里大学医学部 血液内科学
主任教授 鈴木 隆浩